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Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg
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日本株に広がる貿易摩擦懸念、スバルなどリスク

更新日時
  • 40社で構成の米国関連銘柄指数、対TOPIXで下げ目立つ
  • スバルやリコー、クボタ、米州売上高比率と生産比率の差大きい
A man passes in front of an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Tuesday, Feb. 2, 2018. Japan's broad Topix index and blue-chip Nikkei 225 Stock Average were poised to enter a correction as the nation's shares headed for the biggest decline since June 2016, following U.S. peers lower amid rising concern that inflation will force interest rates higher.
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

米国のトランプ大統領が保護貿易主義の姿勢を強めるとともに、日本株市場では米国との相関が強い銘柄群の下げがじわり目立ってきた。中でも、米国での売上高に比べ生産比率が低い銘柄は今後米国の輸入が減少した場合、業績や株価へのダメージが大きくなる可能性がある。

  ゴールドマン・サックス証券の米国関連銘柄バスケット指数は、トランプ大統領が米国への鉄鋼輸入に25%、アルミニウム輸入に10%の関税賦課計画を宣言した1日以降、TOPIXとおおむね連動していた。しかし、15日はTOPIXが0.02%高と反発した半面、米関連銘柄指数は0.2%安と続落し、トランプ宣言以降で両指数間の差が最も広がった。米関連銘柄指数は米売上高比率が20%以上の企業で、同証による米経済活動指数との相関が強い日本の40銘柄(トヨタ自動車、ホンダ、ソニー、ファナック、任天堂など)で構成されている。

米国関連銘柄指数とTOPIX

  アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジストは、「トランプ政権は選挙対策もあって、米国の産業と雇用を守るスタンスを打ち出してきている」と指摘。中国に対しても、「具体的なところまで保護政策が進展してきており、報復によってどこまで貿易戦争がエスカレートするかが見えない」と言う。貿易摩擦が深刻化すれば、「日本企業も米国向けや中国向けなどで相当影響が出てくる可能性がある。個別企業への影響度がまだ分かりにくいだけに、株価にはそのリスクが織り込めていない」と、荻原氏は懸念を示す。

  トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミへ輸入関税を課すことを命じる文書に署名。また、米国家経済会議(NEC)の次期委員長となるラリー・クドロー氏は14日、中国は通商ルールを守っていないため、「中国には貿易で報いを受ける必要があると私は考える」と述べ、より強硬な対中貿易政策採用の可能性を示唆した。

President Trump Signs Section 232 Proclamation On Steel And Aluminum Imports

トランプ米大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・インベストメントマネジャーは、「鉄とアルミだけでなく、他の産品にまで関税が広がるリスクがある。関税がかかると物の動きや生産が鈍り、成長率自体が下にいく」と警戒する。

  こうした事態に即座に発展するとはみていないが、「貿易摩擦の懸念はすぐには解決しない。先行きそういう懸念が強まってくると、株価バリュエーションは高く買えないという話になり、上値を抑える要因になる」と指摘した。

  ゴールドマンのチーフ日本株ストラテジスト、キャシー・松井氏は9日のリポートで、日本は対米直接投資の累計額が英国に次ぐ2位で、「米売上高比率の高い日本企業に対する保護貿易主義的政策の影響は、米国内での生産比率に大きく影響される」と分析。米関連銘柄指数の中で、特に米州(北米と中南米合計)売上高比率と米州資産比率の差が相対的に大きい銘柄は2016年以降のパフォーマンスが堅調だったこともあり、「保護貿易主義的姿勢が強まった場合に受ける影響は、株価にまだ十分織り込まれていない」とみている。

  同証が米国(米州)での売上高比率と製造比率の差が大きい日本企業として挙げたのはSUBARUマツダヤマハファナックコマツクボタNTNオークマキヤノンリコーブラザー工業アシックス

  16日の日本株は、米国の大統領補佐官の解任報道や通商政策に対する根強い懸念などから、為替市場で円が強含んだことが嫌気され、TOPIXは反落して午前を終えた。米国(米州)での売上高比率と製造比率の差が大きい12銘柄中、リコーが3.1%安となるなど8銘柄が安い。

米国(米州)売上高比率
(%)
米国製造比率
(%)
マツダ(7261)330
コマツ(6301)326
キヤノン(7751)305
リコー(7752)305
SUBARU(7270)6237
オークマ(6103)261
クボタ(6326)275
アシックス(7936)210
ファナック(6954)210
NTN(6472)287
ヤマハ(7951)210
ブラザー工業(6448)25      0~5

(出所)ゴールドマン・サックス証券

(見出しを差し替え、文末に16日の日本株動向を追記.)
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