ドル・円は106円台半ば、日米政治重しも良好な経済見通しが下支え

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  • ドル・円、これまでの値幅は37銭にとどまる
  • 日米政治リスクは解決に時間必要、リスクオフ要因として残る-野村

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=106円台半ばを挟んだ小幅な値動きとなった。前日の米国務長官解任や森友学園問題を背景とした日米の政治不透明感が重しとなる一方、良好な経済見通しが下支えしている。

  ドル・円は14日午後3時41分現在、前日比ほぼ変わらずの106円53銭。前日にトランプ米大統領がティラーソン米国務長官を解任したことを受けてドルが売られた流れを引き継ぎ、序盤は106円40銭まで売られた。仲値にかけて106円75銭まで戻した後、午後には一時106円38銭まで安値を切り下げる場面もあった。これまでの値幅は37銭にとどまっている。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円について、「ティラーソン米国務長官の解任を受けた前日からの流れは一巡したようにも見えたが、日米の政治リスクや米輸入関税の話は、一朝一夕に解決する話でもないため、どうしてもリスクオフ要因として残る」と指摘。その上で「今すぐ105円を試すほどドルロングがたまっているわけでもないが、根っこはドル売り。大きく相場を転換させるような材料もない」と述べた。

  一方、ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「日米の政治的な不透明感はドル・円の上値の重しとなっているものの、経済のファンダメンタルズは悪くないし、外部環境も良い」と指摘。「米国は来週利上げをする見込みで、105円割れを意識して下値を攻める雰囲気はない」と述べた。

  トランプ米大統領は13日、ティラーソン国務長官を解任し、後任にポンペオ中央情報局(CIA)長官を指名した。鈴木氏は「米国が外交や通商でタカ派的にシフトする懸念がある中で、中国に対しても通商法301条の発動が意識されてきているなど、不透明感は高い」と分析した。

  米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はトランプ大統領に年間300億ドル相当の中国製輸入品を対象とする包括関税案を示したが、トランプ大統領はより大きな数字を目指すよう求めたと、米ポリティコが13日に事情に詳しい関係者3人の情報を引用して報じた。大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは「中国からの輸入品への関税は、場合によって鉄鋼・アルミへの追加関税よりも規模が大きくなるかもしれず、リスクオフ要因」と指摘した。

  一方、国内では学校法人「森友学園」への国有地売却問題について財務省が12日に14の決裁文書の書き換えを認める調査結果を国会に報告し、麻生太郎財務相の辞任の可能性を含めて政局の行方に一層不透明感が強まっている。安倍晋三首相は14日の参院予算委員会で、自身や昭恵夫人も含めて関与していないとの認識を改めて示した。ソシエテ・ジェネラルの鈴木氏は「森友学園の問題に関しては、麻生財務相の辞任ということにならない限り静観といった感じになりそうだが、不透明要因としては意識される 」と述べた。

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