日本株は5日ぶり反落、国務長官解任で米政治リスク-内外需広く売り

更新日時
  • トランプ米大統領、ティラーソン氏後任にCIA長官のポンペオ氏
  • 米保護主義警戒再燃も、国内は野党不在で参院予算委を開催

A cyclist rides past an electronic stock board showing a figure of the Nikkei Stock Average outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Friday, Jan. 12, 2018.

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

14日の東京株式相場は5営業日ぶりに反落。米国のティラーソン国務長官が解任され、トランプ政権混乱への警戒感が広がり、国内も森友学園問題を背景に国会が事実上空転、政治不安がくすぶった。電機や機械など輸出株、小売や建設株など幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比7.82ポイント(0.4%)安の1743.21、日経平均株価は190円81銭(0.9%)安の2万1777円29銭。

  三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、「米国の国務長官解任は外交だけでなく、通商政策のこじれも懸念される。国内も政治リスクがくすぶり、株式市場にとってはマイナス要因が多い」と指摘。米政権スタッフの交代で保護主義リスクが再浮上し、「貿易戦争を完全否定する材料の確認ができない状況だ。日本も政治・政策の停滞が長引けば、成長戦略の取りまとめに遅れが生じるリスクがある」と言う。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  トランプ米大統領は13日、ティラーソン国務長官を解任し、中央情報局(CIA)のポンペオ長官を後任に指名した。また、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は年間300億ドル相当の中国製輸入品を対象とする包括関税案を示し、トランプ大統領はより大きな数字を目指すよう求めた、とポリティコが報じた。

  国内では、学校法人「森友学園」の財務省による関連文書書き換え問題に絡み、野党が参院予算委員会の欠席を継続、国会が停滞している。安倍晋三首相は14日の参院予算委で、森友への国有地売却問題について「書き換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないことは明らかだ」とし、昭恵夫人も含め無関与との認識をあらためて示した。予算委は民進、立憲民主党などが欠席したまま行われた。両党などは昭恵夫人や佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問を求めている。

  きょうの日本株は国内外の政治不安に加え、直近連騰の反動を警戒する売りも出て、反落して開始。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、「トランプ大統領は他国との交渉や政策を良好に運営する人材を切り離している印象で、政権運営の不透明感を払拭(ふっしょく)し切れない」と話す。朝方の売り一巡後にやや下げ渋る場面もあったが、午後の日経平均は一時284円(1.3%)安まで売られた。

  一方、前日までの4営業日累計で700円以上上げていたのと比べると、下方圧力は限定的。野村証券の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「日本株は売られ過ぎの部分がある。米国のS&P500の予想PER17倍前後に対し、野村証券のTOPIXの予想PERは14倍弱と割安で、この開きは過去最高水準の乖離(かいり)状況」としている。

  東証1部33業種は鉱業、その他製品、小売、海運、建設、金属製品、機械、ガラス・土石製品、精密機器など28業種が下落。上昇は水産・農林、倉庫・運輸、電気・ガス、鉄鋼、食料品の5業種。売買代金上位では、第3四半期利益が予想を下回ったとし、ゴールドマン・サックス証券が目標株価を下げたツルハホールディングスが急落。米半導体株指数(SOX)反落の影響などでディスコやSCREENホールディングスも安く、ネクソンも下げた。半面、クレディ・スイス証券が目標株価を上げた第一三共のほか、安川電機やダイフク、ユニ・チャームは高い。

  • 東証1部の売買高は11億5609万株、売買代金は2兆2538億円、代金は3営業日連続で減り、2月26日以来の低水準
  • 値上がり銘柄数は708、値下がりは1262
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