安倍政権揺るがす森友文書問題、自民総裁選に影響も-Q&A

  • 麻生財務相辞任なら政権に打撃、当時の理財局長は辞任
  • 野党は安倍首相や麻生財務相の責任追及の構え

安倍晋三首相

Photographer: Oliver Bunic/Bloomberg

学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省が文書の書き換えを認めた。野党側は、安倍晋三首相や麻生太郎財務相の責任を追及する構えだ。麻生財務相が辞任に追い込まれれば安倍政権にとっては大きな打撃で、9月の自民党総裁選への影響を指摘する声も出ている。問題の経緯などについて一問一答形式でまとめた。

1.森友文書問題とは

  財務省は12日、森友学園への国有地売却に関する問題で14の決裁文書の書き換えを認める調査結果を国会に報告した。会見した麻生財務相によれば、書き換えは昨年2月下旬から4月にかけて行われた。

  財務省の報告資料によると、削除された部分には安倍昭恵首相夫人の名前も登場。2014年に現地案内した際に夫人から、いい土地ですから、前に進めてくださいと話したという森友側の発言を紹介していた。複数の政治家の名前や契約が「特例的な内容となる」との文言も削除されている。

2.誰が関わっているのか

  焦点となっているのは、書き換えを指示したり実行したりした人物の特定だ。麻生財務相は、理財局の一部の職員が行っており、最終責任者は当時局長だった佐川氏としたが、判断した人物は佐川氏の「前の段階だ」との見方を示した。

  森友学園を巡っては昨年、安倍首相が昭恵夫人を通じて同学園の籠池泰典理事長に100万円を寄付したとされる問題でも国会が紛糾。籠池氏への証人喚問も行われた。安倍首相は寄付のほか学園への国有地売却や小学校開校の認可への関与も否定し、「関わっているということであれば政治家として責任を取る」と明言していた。

3.なぜ問題となっているのか

  問題は2日付の朝日新聞が報道し、立憲民主党の福山哲郎幹事長が「事実なら有印公文書変造罪をはじめ刑事事件につながる可能性がある」と指摘するなど、野党は国会で追及していた。9日には森友問題で対応に当たった近畿財務局の職員が死亡していたことが判明し、兵庫県警が自殺として調べていると共同通信が報じた。

  佐川氏は同日、国会に提出した決裁文書作成の担当局長だったことなどを理由に辞任。麻生財務相は同日夜の記者会見で、佐川氏に対しては、退職後でも捜査や調査の結果次第ではさらに重い処分を科す可能性も否定できないと伝え、本人も了承したことを明らかにした。

  財務省が書き換えを認めたことで野党は攻勢を強めている。立憲民主党の蓮舫参院国対委員長は12日、「首相、麻生財務相は、責任ないとはもはや主張できない」と記者団に語った。

4.政権への影響

  麻生財務相は12年12月の第2次安倍内閣発足以来、副総理兼財務相として支えてきた首相の盟友。9月には自民党総裁選も予定されているが、森友問題を乗り切れなければ、首相の3選は難しくなるとの見方が党内からも出ている。

  麻生財務相は12日の会見で自身の進退については「考えていない」と述べた。安倍首相は「麻生財務相には組織立て直しに全力挙げて取り組んでほしい」と話した。

  読売新聞が9-11日に実施した全国世論調査では書き換え疑惑を巡り、政府が適切に対応していると思わない人は80%に上った。安倍晋三内閣の支持率は48%となり、前回の2月調査から6ポイント下落した。

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