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【日本株週間展望】続伸、緊張緩和と好業績評価-各国関税動向は注視

  • 米国は鉄鋼などの関税適用に除外規定を盛り込む方針、貿易戦争回避
  • 1ドル=105円でも17年度増益率18.1%、18年度6.2%-大和証調べ

3月2週(12-16日)の日本株は続伸が見込まれる。米国の関税政策や北朝鮮リスクへの過度な警戒感が後退し、世界経済の堅調さや日本企業の好業績を再評価する動きが広がりそう。ただ、米国の保護主義政策に対する各国の関税引き上げの動きが広がれば、値動きの荒い展開になる可能性がある。

  トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対して高率関税を課すことを命じる文書に署名した。カナダとメキシコへの適用を除外し、両国以外についても国家安全保障に基づき除外する可能性を残した。さらに、北朝鮮の恒久的な非核化の達成に向けて、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が5月までに会談する見込みとなった。リスク回避の強まりから為替市場では2日にドル・円相場が一時1ドル=105円20銭台まであった円高の勢いは、足元でやや鈍化傾向にある。

  米国で13日に2月の消費者物価指数(CPI)、14日に小売売上高と生産者物価指数(PPI)、15日には輸入物価指数、3月のニューヨーク連銀とフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が発表される。市場予想は小売売上高が0.3%増(同0.3%減)、ニューヨーク連銀指数は15への改善、フィラデルフィア連銀指数は23と高水準を維持する見込み。一方、コアCPIは前月比0.2%上昇(前回0.3%上昇)、PPIは0.1%上昇(同0.4%上昇)など物価指標は落ち着きを示しそう。また、13日にはペンシルベニア州下院補欠選挙が実施される。

  国内の企業業績も好調だ。大和証券による主要企業(金融除く)の経常利益見通しは、17年度が前年度比18.8%増、18年度が8.6%増。為替の前提を1ドル=105円とした場合でも、17年度増益率は18.1%、18年度は6.2%、19年度は10.5%の見通しで、方向性に変化はないとみる。同証投資戦略部の高橋和宏ストラテジストは、企業の販売増による数量効果や値上げなど「収益構造改善の取り組みで増益力が高まっている」と説明した。このほか、中国では14日に鉱工業生産、国内は14日に機械受注が発表される。第1週の日経平均株価は週間で1.4%高の2万1469円20銭と反発した。

≪市場関係者の見方≫
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「米国が鉄鋼などの輸入関税に適用除外を設けるなど貿易戦争に発展するリスクが小康状態を保ち、為替のドル安・円高の流れがストップし、株価は上昇へ。過去の株価調整局面で上昇に至る際のPERは16倍で、今の12カ月予想EPSからみると、日経平均は2万2100円まで上昇が見込める。マーケットは19日からのG20での為替政策、20ー21日の米国のFOMCが示す経済見通しなどを見極めたいため、週後半は様子見ムードになりやすい」

三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
  「世界経済がしっかりの中、企業業績も堅調に推移し、1月下旬から続いた株価調整が一服する。株価が直近の高値から急落して底入れするのは、リーマン・ショックのような特殊な例を除けば32ー33営業日で、ちょうど3月中旬がこれに当たり、ここから4月にかけ回復が見込める時期に入る。為替動向は米利上げで日米金利差が開くことがバッファーになり、大きくドル安・円高が進むとは考えにくい。しかし、米関税政策に対する報復合戦に発展すれば、世界経済を冷やすリスクとなり、円高が進む可能性から注意が必要」

岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「堅調を予想している。米国が過度に保護主義的な通商政策を取らなかったことで、世界経済の回復基調が維持される。今回の輸入関税導入にあたり除外国設定などは表面的にはポジティブ。米国でことし3回か4回の利上げが実施されても景気腰折れはなく、当面は潜在成長率2%を上回る成長が続く。1ドル=105円を超えて円高が進まないなら、来期はひと桁台半ばくらいの増益が可能、為替面からのマイナス影響もいったん緩和。ただ、2月に投資家心理が大きく悪化、多少の好材料が出ても持続的な株高は望めない、株価指数はもみ合いが続く可能性もある」

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