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Photographer: Prashanth Vishwanathan/Bloomberg
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トランプ大統領の鉄鋼アルミ関税、今後予想される展開

  • 15日以内に発効、大統領は30日以内に議会に理由説明
  • 他国はWTO提訴も、WTOが定める上限まで関税引き上げも選択肢
A workers loads a steel sheet onto a truck in the Naraina steel and iron market area of New Delhi, India.
Photographer: Prashanth Vishwanathan/Bloomberg

トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課すことを命じる文書に署名した。この計画は既に金融市場を揺さぶっており、投資家は経済や地政学上の影響を見極めようとしている。トランプ大統領は当初、関税は全面的で厳しい措置になるとしていたが、同盟国には効力を弱める可能性も残した。

  投資家や消費者、各国政府、企業はこの措置が健全な世界経済を脅かす貿易戦争の最初の一撃かどうか解読しようとしており、例外規定のいかんにかかわらず、混乱は続く可能性が高い。状況理解の一助になるよう今後の展開や起こり得る結果について以下にまとめた。

今後何が起こるか?

  • トランプ大統領はアルミニウムに10%、鉄鋼に25%の輸入関税を発動する計画で、15日以内に発効させる。30日以内に議会に対し、この措置の理由を説明する。その通知は形式的な手続きで、大統領はこの件で幅広い権限を持つ。
  • 関税措置を継続できる期間に制限はない。トランプ大統領が変更や適用除外の導入を求めれば、追加の命令を出すことが可能。
  • 他国政府はどう対応できるか?

  • 各国は世界貿易機関(WTO)に提訴できるが、判決が下され実施されるまでに数年を要する。米国は関税が国家安全保障を擁護する上で容認されると主張する可能性が高く、それに対する論争となり、他国も同じ理由で貿易障壁を引き上げる道が開かれるかもしれない。
  • その間に各国政府は米国の課税に匹敵する関税を導入する可能性もある。EUは米国製ウイスキー、ジーンズ、二輪車などの輸入を標的にする方針を示している。米国はWTOに提訴して報復したり、追加関税を課したりすることもあり得る。
  • もう一つの選択肢は各国がWTOが定める上限まで関税を引き上げることだ。米国の輸出業者に痛手になるものの、各国はWTOルール違反との指摘を免れる。
  • 中国政府には調達契約を米国以外の企業にシフトする余地がある。例えば、米国製ではなくカナダ製の航空機の購入を決めることもでき、これは法律的な意味では報復関税として受け止められない。
  • 企業はどう対応するか?

  • 米国の鉄鋼メーカーとアルミメーカーはホワイトハウスの決定を称賛し、投資や生産を増やす可能性があり、少なくともこれらの産業での雇用や賃金を刺激し得る。
  • 鉄鋼やアルミを建設や製造に使用する企業はコスト増加に直面し、消費者にそれを転嫁する可能性。利益率の縮小懸念から企業は投資を縮小ないし延期し、人員削減に踏み切るかもしれない。
  • 企業や業界団体は、関税導入の理由は無効だとして政府を相手取り米国の裁判所に提訴する可能性もある。
  • 原題:Here’s What to Expect Next on Trump’s Steel and Aluminum Tariffs(抜粋)

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