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Photographer: Tomohiro Ohsumi
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ドル・円が1週間ぶり高値、106円台後半

更新日時
  • 米保護貿易への過度な懸念も後退、ドル・円は一時106円94銭まで上昇
  • 円売り一巡後は米雇用統計待ち、平均時給に注目
A Japanese 100 yen coin and 10,000 yen banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Monday, June 20, 2016.
Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場では円が全面安。トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談に同意したことを受け、米朝緊張緩和への期待が広がった。ドル・円相場は一時1ドル=107円付近まで上昇し、約1週間ぶりの高値を付けた。

  9日午後4時28分現在のドル・円は前日比0.4%高の106円69銭。一時は106円94銭と1日以来の水準までドル高・円安が進んだ。トランプ大統領が8日に署名した鉄鋼アルミ関税で同盟国への適用除外の余地が示され、米保護貿易への過度な懸念が和らいだことも、リスクセンチメント改善に伴う円売りを促した。

  大和証券投資情報部の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、「米朝首脳会談は円安方向の材料であることは間違いない」とし、ドル・円は「下を攻める材料がなくなってきているのは確か」と指摘。「貿易戦争もすぐに大きくなる話ではないため、これだけで円買いとはいかない。株式市場も落ち着いてきて、リスクオフの円買いは難しくなってきた」と話した。

米朝緊張緩和期待で円売り

  訪米中の鄭義溶・韓国国家安保室長は8日、早期首脳会談実現への金委員長の提案をトランプ大統領に伝え、同大統領は金委員長の招請を受け入れ、会談に応じる意向を示したと明らかにした。また、金委員長は非核化にコミットしており、核・ミサイル実験を自制する考えだと述べた。

米朝首脳会談合意についての記事はこちら。

  ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長は、少なくとも米朝会談が行われるまでは北朝鮮による威嚇行為はないとの見方で「とりあえず会談が行われことに対する評価ということだろう」と解説。「今は金利差など完全に無視されているが、ボラティリティが下がってくれれば金利差の話に戻ってくるので、ボラを鎮めるような材料が出てくることはゆくゆくはドル・円の上昇につながる」と話した。

  一方、しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、北朝鮮は過去の欺きの例があるため、今後どのようなニュースが出てくるかは予断を許さないとし、トランプ政権の関税も「相互税」の計画など「この先どうなっていくか分からない。流れはどうしても保護貿易強化の方向にみざるを得ない」と語った。

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  米国ではこの日、2月の雇用統計が発表される。注目の平均時給は前年比2.8%上昇が予想されている。先月は1月の平均時給が2.9%上昇と2009年6月以来最大の伸びとなったことから、利上げペース加速懸念が強まり、米国株が急落した。

  ソニーFHの尾河氏は、賃金が上振れた場合には再び株安となるかもしれないが、「予想範囲内でじわっとドルが上がる方向であれば、ドル・円が107円を超えてくる可能性もある」と話した。

  日本銀行の黒田東彦総裁は金融調節方針の現状維持を決めた金融政策決定会合後の会見で、現在は出口について具体的に検討する局面ではないとし、物価目標の2%に達しても直ちに出口に向かうわけではないと述べた。発言に目新しさはなく、市場で目立った反応は見られなかった。

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