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のるか反るかのジャンク債ギャンブラー、不釣り合いに大きい影響力

  • ハイイールド債投資に注力のBTS、モデルに従いタイミング売買
  • 2月に全ポジション売却、市場の混乱増幅した可能性

世界が株価急落に見舞われた2月初め、米マサチューセッツ州で小さな投資会社を経営するマット・パスツ氏は、コンピューターモデルを研究していた。モデルが導き出したシグナルは「売り」。9億ドル(約950億円)のBTSタクティカル債券ファンドのうち、パスツ氏はジャンク債投資分を全額処分し、現金化した。

  BTSアセット・マネジメントには、債券のファンダメンタルズを分析するクレジットアナリストはいない。パスツ氏はハイイールド資産全体の売りと買いのタイミングを見極めることに専念し、ジャンク債市場の値動きに連動する上場投資信託(ETF)価格の移動平均など、トレンドやモメンタム指標に注目する。BTSの資産はもっぱらジャンク債への投資で、売り払った後は米国債か現金を保有する。

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  BTSにとって資金を全額つぎ込み、そして引き揚げることは難しくない。債券を直接保有するのではなく、ほぼ全額をETFを通じて投資するという独自の戦略をとっているためだ。全額を売却する前の1月下旬、BTSは資産の約95%を規模の大きな2種類のジャンク債ETFで保有していた。

  タイミング投資、しかも全部かゼロかという手法のため、パスツ氏のような投資家はファンドの規模の割には大きな影響を市場に及ぼし得ると考えられる。ETFが売られると、その基になっている債券に売りが及ぶからだ。2月上旬にハイイールド債ETFから流出した額は合計で約60億ドルに上り、BTSだけが売り手ではなかったが、市場の混乱期にBTSの売りが資金流出に拍車をかけた可能性はある。

  パスツ氏は複数回に分けて売却するなど、市場に及ぼす影響を減らす措置を取っているとし、BTSが不釣り合いな影響力を及ぼすとの見方を否定。「トレーディングに影響は出るだろうが、市場の流動性は高く、反対側に動く投資家もいる」と説明した。

原題:Junk Bonds’ All-or-Nothing Gambler Now Has Power to Move Markets(抜粋)

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