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ドラギ総裁、出口への足取りは鈍いままか-貿易戦争の可能性にらみ

  • ECB総裁はフランクフルト時間8日午後2時半に記者会見
  • ECBは経済成長とインフレの最新予測も公表へ

ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の出口戦略に向けた足取りは当面、鈍いままとなりそうだ。インフレ率が低過ぎる上、世界経済が貿易戦争の可能性に直面しているからだ。

  ユーロ圏では経済低迷からの脱出に輸出が極めて大きな役割を担ってきただけに、米国が輸入関税を発動し欧州が報復措置を実施する運びとなれば、域内の見通しに悪影響を及ぼしかねない。これが、政策ガイダンスの見直しを呼び掛ける一部ECB当局者に対するドラギ総裁の反対意見を後押しする可能性がある。

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  8日の政策委員会でより楽観的な政策委員会メンバーが総裁から譲歩を勝ち取った場合でも、文言の修正はわずかにとどまる見通し。新たな成長・インフレ予測でも辛抱強さと粘り強さが反映され、修正があっても最小限にとどまる可能性が高い。

  これまでのところ、インフレ率は景気刺激策縮小の妨げとなっている。2月のインフレ率は1.2%にすぎず、2%弱とするECBの目安には依然として及ばない。今後も消費者物価の伸び率上昇は緩やかと見込まれている。

Crossing the Trough

Euro-area price growth has edged lower lately, but is expected to gradually pick up

Source: Eurostat, ECB

  政策当局者は1月に既に、強まる保護貿易主義や為替相場の変動を下振れリスクとして認識しており、それ以降、市場で予想される将来のボラティリティーの指標は弱まっている。

  一方で、国債利回りとユーロは域内の楽観的見通しを背景に上昇してきたが、イタリア総選挙で既成政党以外の勢力が強さを示したことに伴う政治の先行き不透明感が、景気見通しを曇らせる可能性がある。景況感の指数は既に数年ぶりの高水準から低下し始めている。

Reaching the Peak

Sentiment indicators in the euro area have fallen from their highs

Sources: IHS Markit, European Commission, Sentix, Ifo Institute

  少なくとも9月までは月300億ユーロ(約4兆円)の資産購入を続け、購入終了後も政策金利を相当期間据え置くと表明しているドラギ総裁にとっては、こうした状況は景気刺激策を当面、現状維持とする新たな理由にすぎないかもしれない。

原題:Draghi Stares at Trade War Abyss as ECB Ponders Stimulus Outlook(抜粋)

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