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日本株反発、米保護主義は一枚岩にあらず-電機、値上げ観測紙パ高い

更新日時
  • ムニューシン米財務長官、関税賦課案で適用免除検討を明らかに
  • 9日に米市場で雇用統計発表、平均時給で1月分デジャビュを警戒

8日の東京株式相場は反発。米国の政権内部で包括的な輸入制限への批判論が浮上、通商政策の保護主義懸念が後退した。電機株のほか、白板紙の値上げ観測が広がったパルプ・紙株が買われ、米製薬メーカーと抗がん剤で提携したエーザイが急騰するなど医薬品株も高い。

  TOPIXの終値は前日比5.99ポイント(0.4%)高の1709.95、日経平均株価は115円35銭(0.5%)高の2万1368円07銭。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「米国の政権内部や議会からタカ派的な通商政策に批判的な発言が出てきたこともあり、市場は米国が本気で貿易戦争を仕掛けることはないとの認識を強めた」と言う。鉄鋼などへの関税導入も、「中間選挙に向けたパフォーマンスの一環で、米企業のコスト高につながる輸入制限の拡大はしないはず」と指摘した。

Images of Tokyo Stock Exchange as Asian Stocks Slide After U.S. Tumble

東証内

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  米国のサンダース報道官は国家安全保障上の判断に基づき、関税の適用を除外する国があるかもしれないと発言。ムニューシン財務長官も、ホワイトハウスが鉄鋼・アルミニウムへの関税賦課案の適用免除を検討していることを明らかにした。トランプ大統領による関税文書への署名は、日本時間9日午前5時半が見込まれている。

  米国の保護主義傾斜への懸念が弱まる中、きょうのドル・円は一時1ドル=106円20銭台と前日の日本株終了時点105円64銭からドル高・円安水準で推移した。日本株は朝方から反発して始まり、日経平均は一時200円以上上昇。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が米時間6日に辞任し、高まっていた「全面的な貿易戦争に発展し、世界経済が減速するとの最悪シナリオが薄れた」とみている。

  ただし、日経平均はこの日の始値2万1488円が日中高値となるいわゆる「寄り付き天井」。午後にかけ伸び悩みが鮮明となり、一時46円高まで上げ幅を縮めた。為替の円安方向への動きが限られたことも上値が抑えられた一因。ニッセイ基礎研の井出氏は、米国市場で9日に発表される2月雇用統計の見極め姿勢が強いと指摘。「1月分は賃金上昇に反応し、金利高や株安となった。再び平均時給の伸びが大きくなった時に利上げ加速の懸念につながりかねない、との警戒感がある」と話していた。エコノミスト予想では、米雇用統計における平均時給は前年比2.8%上昇、前の月は2.9%上昇だった。

  東証1部33業種はパルプ・紙、その他製品、医薬品、電機、倉庫・運輸、不動産など19業種が上昇。紙パでは、8日の日本経済新聞が王子ホールディングス、北越紀州製紙が菓子箱などの白板紙を4月1日出荷分から9%値上げするとの報道があった。医薬品ではエーザイが大幅高となり、米メルクと抗がん剤で提携し、契約一時金の上乗せで利益計画を上方修正した。下落は海運や石油・石炭製品、その他金融、化学、電気・ガス、小売、陸運など14業種。

  売買代金上位では、メディアで中国の半導体大型投資やDRAM価格の上昇予測報道が重なった東京エレクトロン、ジェフリーズが目標株価を7万9900円に上げた任天堂が高い。半面、コマツや花王、資生堂が安く、金融庁が傘下のGMOコインに対し行政処分(業務改善命令)を行ったGMOインターネットも売られた。

  • 東証1部の売買高は12億2576万株、売買代金は2兆5017億円
  • 値上がり銘柄数は938、値下がりは1042
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