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債券下落、米貿易政策懸念の株安・円高が一服-短国の需給緩和も重し

更新日時
  • 円債は全体的に売り優勢、調整地合い続く-バークレイズ証
  • 来週の5年債と20年債入札に向けて調整入りやすい-野村証

債券相場は下落。米国の貿易政策をめぐる不透明感を背景とした株安・円高の進行が一服したことから、国内債市場に売り圧力が掛かった。また、この日に実施された国庫短期証券3カ月物入札で短期ゾーンの需要の弱さが示されたことも上値の重さにつながった。

  8日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比4銭安の150円99銭で取引を開始した。151円01銭まで下げ幅を縮小する場面もあったが上値は重く、一時150円96銭まで下落。結局は6銭安の150円97銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「トランプ政権が輸入関税で一部の国を除外する可能性が強まったのを受けて日米の株価やドル・円相場が上昇する中、円債は全体的に売りが優勢になった」と指摘。「この日の海外時間には欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合を控えて大きくは動きにくく、日中は調整地合いが続きやすい」と話した。

先物中心限月の日中推移

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.05%で寄り付き、同水準で推移した。超長期債も下落。新発20年債利回りは0.5bp高い0.535%、新発30年債利回りは1.5bp高い0.755%、新発40年債利回りは1bp高い0.88%までそれぞれ売られた。

  米ホワイトハウス当局者によると、トランプ大統領は8日午後3時半(日本時間9日午前5時半)に関税を課す指示文書に署名する予定。ロス商務長官は、北米自由貿易協定(NAFTA)を米国と再交渉しているメキシコとカナダに加えて他の国も輸入関税の適用免除にすることにオープンな姿勢を示唆している。

  この日の東京株式相場は反発。日経平均株価は前日比115円35銭(0.5%)高の2万1368円07銭で引けた。外国為替市場ではドル・円相場が7日の海外時間に一時1ドル=106円22銭と、同日のドル安値105円46銭から値を戻した。

短期ゾーンの需給懸念も

  財務省はこの日、残存期間1年超5年以下の銘柄を対象に流動性供給入札を実施した。結果は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が4.91倍と、同ゾーンの前回入札時の4.5倍を上回った。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧下さい。

  一方、短国3カ月物の入札結果は、最高利回りがマイナス0.1824%と、前回のマイナス0.1944%を上回った。応札倍率は3.93倍と昨年12月20日以来の低水準だった。

  野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジストは、「きのうの6カ月物に続いて3カ月物入札も弱い結果となり、短いところから崩れている感がある」と指摘。「来週に予定されている5年債と20年債入札に向けて調整が入りやすい」とみる。

  この日の中期債は新発2年債利回りがマイナス0.16%、新発5年債利回りはマイナス0.115%と、それぞれ0.5bp上昇して推移した。

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