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チューリヒの住宅ブームに失速の兆し-湖畔物件も手に入る可能性

  • 昨年10-12月の住宅価格は2年ぶりに下落-過去10年で50%強上昇
  • 年内に需要が上向く可能性低いとチュルヒャー・カントナルバンク

スイスで最も人口の多い都市、チューリヒの住宅市場ブームが失速し始めている。

  スイスの銀行チュルヒャー・カントナルバンクによると、チューリヒの住宅価格は昨年10-12月(第4四半期)に約2年ぶりに下落に転じた。同行は2018年に需要が上向く可能性は低いと予想し、同市への移住者が減っていることなどを理由に挙げた。ここ数年のマイナス金利も追い風となり、価格は過去10年間に50%余り値上がりし、平均約130万スイス・フラン(約1億4700万円)に達していた。

  チューリヒの住宅価格動向は、英国の欧州連合(EU)離脱を前に米ウォール街の銀行がロンドンからの社員異動や新規採用に動く中でドイツのフランクフルトなどの不動産市場が値上がりしているのとは対照的だ。

  チュルヒャーの不動産分析責任者ぺーター・マイアー氏はインタビューで、今年のチューリヒの住宅価格は良くても横ばいで、さらに下落する可能性すらあると指摘。「市場にとって転換点になる」との見方を示した。

Turning Point?

ZWEX Index: Zurich's residential property got cheaper last quarter

Source: ZKB; Market prices for residential property in the canton of Zurich

  マイアー氏によると、昨年のチューリヒの人口増加率は1.1%に鈍化。さらに、「ここ数年の給与の伸びは不動産価格をはるかに下回っている」という。

  不動産ブローカー、コリアーズ・インターナショナル傘下のCSLイモビリエンの調査責任者、パトリシア・ライヒェルト氏は「チューリヒの住宅価格が再び大きく上昇するには、主に需要サイドと低金利に絡んだ混合的な要因が必要だ」とみている。

  チューリヒで約9万人を雇用し市経済の鍵を握る銀行などの金融機関が雇用を削減していることが、ここ数年の経済縮小につながった。

  不動産ブローカー、エンゲル&ボルカーズのマネジングパートナー、ラース・ケラー氏は「金融機関からの買い手は依然多いが、5年前と比べればその数は著しく減っている」と指摘した。

  チューリヒ地域では現在、以下のような物件が100万ドル(約1億630万円)前後で購入できる。

Zollikon apartment

ツォリコンの集合住宅

出典:ナイト・フランク
  • 市中心部から車か電車、トラムで数分のチューリヒ湖畔の村、ツォリコンにある集合住宅の2ベッドルームの物件。広さ75平方メートルの居住スペースに、バルコニーとワインセラー付き。価格は97万フラン(ナイト・フランク)
  • チューリヒ東方の村、ゴックハウゼンにある3ベッドルームの一戸建て。123平方メートルの居住スペースと貯蔵庫を備える。ゴックハウゼンは森の丘の上にあり、空港から車で約10分の距離。価格は140万フラン(ナイト・フランク)
Gockhausen apartment

ゴックハウゼンの一戸建て

出典:ナイト・フランク

原題:That Zurich Lakeside Property May Finally Become More Affordable(抜粋)

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