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神戸製鋼:川崎社長の辞任を発表、後任は未定

更新日時
  • 4月1日付で代表取締役を退任、アルミ・銅事業担当の金子副社長も
  • 真岡製造所では1970年代から、新たな不正も判明-出荷先605社に拡大
川崎博也会長兼社長

川崎博也会長兼社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
川崎博也会長兼社長
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

神戸製鋼所は6日、一連の品質データ改ざん問題の責任を取り、川崎博也会長兼社長が辞任すると発表した。辞任は4月1日付。社外弁護士で構成する外部調査委員会による不正の原因究明に関する報告書のとりまとめを受けて、経営責任を明確化する。アルミニウム・銅事業担当の金子明副社長も退任する。後任の社長は近日開催予定の取締役会で決定する予定。

  同日都内で記者会見した川崎社長は「一日でも早く、一人でも多くの方に神戸製鋼が変わったと思っていただくためには、新たな体制でスピード感を持ち、変革を進めていくことが最善の策であると考えた」と述べた。川崎社長と金子副社長は4月1日以降、代表権を持たない取締役となり、6月下旬の株主総会後に取締役も退任する。

  外部調査委員会による調査結果や神戸鋼によると、不正を引き起こした原因は、収益偏重の経営と不十分な組織体制、バランスを欠いた工場運営と社員の品質コンプライアンス意識の低下、不十分な品質管理手続きの3点に集約される。

  調査委員会の報告では、アルミ製造拠点である真岡製造所(栃木県)での不正行為が最も古く、1970年代から始まっていたことが分かった。過去に役員だった取締役、執行役員の2人が役員就任前に不正行為に直接関与していたことも明らかになった。金子副社長が不適切行為に関与していたことを示す証拠は確認されていない。川崎社長は「本社からの指示は一切ない」と述べた。

  川崎社長は「信頼を失ったことは痛恨の極み」として、「ものづくりの原点に立ち返り、不退転の決意を持って再発防止に努める」と述べた。また、不正行為が長期間にわたったことに関して「コンプライアンス体制のみならず、組織風土や役員、社員の意識などの面で根深い問題を抱えていると言わざるを得ない」と指摘。「品質問題を超えたより根本的な改革に取り組む必要性が明らかになった」とも語った。

  再発防止策では、取締役会での社外取締役の比率を3分の1以上にすることや、会長職の廃止を決めた。コンプライアンス、品質をそれぞれ総括する取締役も配置する。事業部門間での人事ローテーションを実施することで組織の閉鎖性を改善するほか、新規受注時の承認プロセスも見直し、自社の工程能力を受注時に把握できる仕組みを整備する。

  また、昨年10月の同委員会設置以降に新たに6拠点で不適切行為が行われていたことも判明した。新たに判明した不適切行為に関連する顧客数は163社で、そのうち129社で安全性の検証を終えた。問題製品の出荷先企業は従来の525社から605社へと拡大した。川崎社長は「これだけ多くのお客様にご迷惑をおかしたことは誠に申し訳ない」と改めて陳謝した。

  神戸鋼は当初、昨年末までの調査完了を目指していたが、一部役員が不正を認識していたことや、国内79の製造拠点で進めてきた自主点検などに不十分な点が認められたことから、期限を延期していた。

  神戸鋼のデータ改ざん問題は昨年10月に発覚。アルミニウムや銅製品の一部で顧客仕様に適合させるため、強度などの検査証明書の数値を書き換えるなどして出荷していたと発表。その後、データ改ざんの対象製品は自動車のギアなどに使用される鉄粉や液晶材料のターゲット材、銅管やアルミ合金線、鉄鋼製品である線材にも拡大した。

(会見内容を追加します.)
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