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出口論「時期尚早」で済まさなかった黒田総裁、世界的潮流が後押しか

  • 物価目標2%達成時期とみる19年度ごろに出口検討は「間違いない」
  • 「詳しく語らざるを得ない状況に追い込まれている」-デバリエ氏

日本銀行の黒田東彦総裁が2019年度ごろに出口政策を検討・議論していることは「間違いない」と2日に発言したことで、金融危機以降約10年続く世界的な金融緩和の終わりがますます意識されつつある。

  衆院議院運営委員会での日銀総裁再任に向けた所信聴取後の質疑で飛び出した黒田氏の発言はある意味、当たり前のことを述べたにすぎない。目標とする物価2%上昇の達成時期を19年度ごろとみているからだ。だが、公の場で自らを縛りかねない時期を明言したことの意味は大きい。

  メリルリンチ日本証券のデバリエいづみ主席エコノミストは「出口について黒田総裁がここ数週間に詳しく語らざるを得ない状況に追い込まれているのは注目に値すべきだ」と指摘。「1年半前なら、出口論については『語るには時期尚早』との決まり文句で片付けただろう」と述べた。
  

Tokyo and National Price Changes

  世界に目を向ければ、米国とカナダ、英国の中銀が既に政策金利引き上げに着手し、近く追加利上げも実施するかもしれない。欧州中央銀行(ECB)は国債購入をいつ終わらせるか議論しているほか、中国人民銀行は慎重かつ中立的な金融政策を追求しつつ、企業の借り入れペース抑制で短期金利を徐々に引き上げている。ブルームバーグ・エコノミクスは、主要中銀による資産購入が純ベースで19年初めごろにゼロ近辺になると見積もっている。

  メイバンク・キムエン・リサーチのシニアエコノミスト、 チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は「経済成長とインフレリスクが戻り、世界の中銀は緩やかに金融政策を正常化しつつある。日銀は緩和的政策からの最終的な離脱に向け、市場に準備を促している」と語った。

  実際、黒田氏の発言直後に円は値上がり、日本国債利回りも上昇し、日本株は下げた。エバコアISIのクリシュナ・グハ副会長は「市場の反応は、正常化が近づけば日銀の量的緩和さえ永遠には続かないのだと投資家がどれほど敏感になるかを示しており、黒田総裁は日銀の行動を測る時間枠を与えてしまったことを後悔するかもしれない」とリポートに記述した。

  もちろん、当の黒田総裁は、現行では物価上昇率2%達成までかなり距離があることから、「直ちに出口を議論するのは適切ではない」とも指摘。緩和政策にコミットし続ける姿勢を示し、これを市場関係者の多くも理解した。

原題:BOJ’s Kuroda Joins Queue of Central Banks Looking Toward Exit(抜粋)

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