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雨宮日銀理事:現行の金融政策だけで全てが実現するわけではない

更新日時
  • 効果と副作用の比較考量必要-不老不死の薬ない限り全てに限界ある
  • 金利安定させながら出口調整は十分可能-出口の手段は持っている

日本銀行の副総裁候補の雨宮正佳理事は5日、衆院議院運営委員会の所信聴取とその後の質疑で、「日本経済は物価2%実現に向け着実に歩みを進めている」とする一方で、一つの政策だけで全ての目標が実現するわけではないと述べ、現行の金融政策の「効果と副作用の比較考量」が必要との認識を示した。

  先に答弁した副総裁候補の若田部昌澄早稲田大学教授が「金融政策には基本的に限界がない」との認識を示したのに対し、雨宮氏は「不老不死の薬がない限り、世の中の現象、政策、やることすべては限界がある」と言明。「経済や物価という現象の複雑さ」を考えると、「単純にある政策だけで全てのことが実現できるわけではないと改めて認識している」と語った。

Bank Of Japan Deputy Governor Nominees Masazumi Wakatabe and Masayosh Amamiya Attend Confirmation Hearing

所信を述べる雨宮日銀理事

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  出口政策についても触れ、「経済物価状況に応じて、市場の安定を確保しながら金利を徐々に安定的に調整していくことは技術的には十分可能」と語った。政策手段や日銀の収益への影響は内部で検討しているとしながらも、公に議論するのは「時期尚早」と述べた。

  雨宮氏は中曽宏副総裁の後任候補。国会で同意が得られれば20日に就任する。金融政策の企画・立案を行う企画局が長く、「ミスターBOJ(日銀)」とも呼ばれる。2013年4月の異次元緩和の導入以降、黒田東彦総裁の側近として現行の金融緩和路線を支えてきた。

  雨宮氏は、長短金利操作付き量的・質的緩和について「効果、副作用、出口を含め検討課題は多岐にわたる」と指摘。マイナス金利を含む超低金利政策の副作用については「金融機関に負担をかけていることは十分に認識している」としながらも、「全体として金融仲介機能が損なわれている状況には至っていない」と述べた。ただ副作用は累積的に積み上がるとし、「十分に注意深く検討していきたい」と語った。

  副総裁としての役割にも言及し、冒頭の所信表明で「経験と知見を生かし全力で総裁を支える」と発言した。質疑でも、漢から元時代の中国の官名「諌議(かんぎ)大夫」を引用し、天子に物言う役割を担い、「総裁を補佐しつつ、自分の意見を持って議論を活発化したい」と強調した。

(雨宮日銀理事の発言を追加し、更新します.)
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