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日本株ことし安値を更新、米通商リスクと円高警戒続く-景気敏感安い

更新日時
  • TOPIX、日経平均とも2月14日の「一番底」を割り込む
  • 貿易摩擦は円高材料と市場関係者、105円続くと企業は減益意識も

5日の東京株式相場は4営業日続落し、ことしの安値を更新。米国の関税政策が貿易摩擦を生むリスクに警戒感が続き、円高止まりで企業業績の先行きも懸念された。輸送用機器や精密機器など輸出株、鉄鋼や非鉄金属など素材株、海運株など景気敏感セクター中心に安い。

  TOPIXの終値は前週末比13.55ポイント(0.8%)安の1694.79、日経平均株価は139円55銭(0.7%)安の2万1042円09銭。両指数とも2月14日に付けた今回の下げ相場の「一番底」をおよそ3週ぶりに下回った。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「米国の保護主義とは、少なくとも中間選挙までは付き合わなければならない。貿易黒字国であり、米国に強く『ノー』と言えないとの観点から、日本株の持ち高を落とす動きがある」と指摘。貿易摩擦がテーマになると円買いが入りやすく、「1ドル=105円を超えてくると、来期の大幅増益期待がしぼむ」と話した。

Inside Tokyo Stock Exchange And Stock Boards As Nikkei 225 Briefly Tops 20,000 Mark

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  前週末の米ハイテク株の反発などから、取引開始前には見直し買いの動きを予想する向きもあったが、トランプ米大統領が1日に鉄鋼、アルミニウムに輸入関税を課す方針を表明したことの悪影響が引き続き日本株の重しとなった。続落して始まったTOPIXと日経平均は午後の取引で下げ幅を拡大、両指数とも2月14日の日中安値(1691.65、2万0950円15銭)を下抜けた。

  SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、「米国が輸入関税をかける政策にどれだけ本腰を入れるのか、EUなどからどのような報復措置が出るのかといった不透明感が投資家のリスク許容度を落としている」とみる。日経平均の予想PERは13倍割れと「割安感は出ているが、米国では週末に雇用統計の発表などイベントを控え、株価の割安感のみでは手を出しづらいタイミング」とも言う。

  為替の円高止まりも引き続き日本株のマイナス要因。きょうのドル・円はおおむね1ドル=105円40ー60銭台で推移、2日の日本株終値時点105円80銭に対し円高水準で取引された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、歴史を振り返ると貿易摩擦は円高材料だとし、「1ドル=105円台の現水準が続くと、企業は来期業績の想定レートを100円などの円高にする可能性があり、5ー6%減益を意識せざるを得ない」と話している。

  東証1部33業種はその他製品や非鉄金属、海運、不動産、鉄鋼、金属製品、精密機器、輸送用機器など24業種が下落。上昇はゴム製品、食料品、陸運、小売、情報・通信など9業種。売買代金上位では、SMBC日興証券が来期業績モメンタムの鈍化を予想した三井金属が大幅安。任天堂やSUMCO、ブイ・テクノロジー、東海カーボン、スズキの下げもきつい。半面、自動運転技術で名古屋大学発のベンチャーと提携したKDDI、2月の既存店売上高が増加したファーストリテイリングは高い。

  • 東証1部の売買高は15億1045万株、売買代金は2兆7618億円
  • 値上がり銘柄数は482、値下がりは1532
    日経平均ボラティリティー指数と予想PERの推移
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