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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
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ドル・円が2週間ぶり106円台割れ、黒田総裁発言や米保護主義警戒で

更新日時
  • 一時1ドル=105円71銭までドル安進行-2月16日以来の低水準
  • 目先は、直近安値の105円55銭あたりが節目-三菱モルガン
Treasury Secretary Mnuchin Views Production Of Currency Bearing His Signature
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

東京外国為替市場のドル・円相場は約2週間ぶりに1ドル=106円台を割り込んだ。米国の鉄鋼とアルミニウム輸入に対する関税方針を受けた保護主義的な動きへの警戒感に加え、日本銀行の黒田東彦総裁による出口戦略を巡る発言が、ドル売り・円買いを加速させた。

  2日午後4時9分現在のドル・円相場は前日比0.3%安の105円89銭。午前は106円29銭まで上昇した後、2月16日以来の安値となる105円94銭まで水準を切り下げ、再び106円台に戻すといった展開だった。午後に入ってからは、日銀総裁発言を受けて一時105円71銭まで下落し、日中の安値を塗り替えた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.2%低下の1130.63まで下げた。

  黒田日銀総裁は同日午後の衆院議院運営委員会で行われた所信聴取後の質疑で、金融緩和策からの出口戦略について、「現時点では私も含めて金融政策決定会合に臨む政策委員は、2019年度ごろには2%程度に達すると物価の動向をみているので、当然のことながら、出口というものをその頃検討し、議論しているということは間違いない」と発言した。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、黒田日銀総裁が、19年度に2%物価目標に達成する可能性が高いことや、同時期ごろに出口を検討との発言を材料視して円高圧力が高まったと指摘。「円金利が急騰し、日米利回り格差が縮小したことが材料。クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も円高に行っている」と述べた。 

ドル・円相場の推移

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「黒田総裁としては、19年度には物価目標2%達成ができているというのが建前。聞かれればそう発言せざるを得ない。トランプ大統領発言を受けた保護主義懸念と期末時期特有の円高のレパトリ(本国への資金環流)観測が強くて、放っておいても円高になりやすい時に、なぜこのような発言をしたのか分からない」と言い、「目先は、直近安値の105円55銭あたりが節目になっていて、そこを抜けると105円を試す動きに一時的になってしまう可能性がある」と述べた。

  長期金利の指標となる新発10年債利回りは一時3ベーシスポイント(bp)高い0.08%に上昇。一方、日経平均株価は大幅続落。前日比542円83銭(2.5%)安の2万1181円64銭で取引を終えた。前日のダウ工業株30種平均は前日比420.22ドル(1.7%)安の24608.98ドルで引けた。

  トランプ大統領は1日、ホワイトハウスに招いた金属業界幹部らを前に関税賦課を発表。鉄鋼輸入に25%、アルミニウム輸入に10%の関税を課す計画を明らかにし、来週正式に発令すると述べた。

  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、米輸入関税発表を受けて、リスクオフの状況が強まっていると指摘。「米保護主義が強まるとドルは弱くなる傾向がある」と述べた。

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