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米国債利回り予想、3月に判断材料めじろ押し-日本の投資家も鍵握る

  • 3月はECB、FOMC、米国債入札など重要イベント控える
  • インフレと賃金関連データ、利回り上昇を維持する鍵に

恐らく2018年の金融市場にとって最大の疑問は、米国債利回りがどこまで上昇するかということだろう。答えは3月に出るかもしれない。

  指標の10年債利回りが4年ぶり高水準の2.9537パーセントを2月21日に付けた後、3%到達は避けられないと思われた。だが、買い手が現れ、ウォール街の一部ストラテジストがあらためて強気な見方を主張すると、「債券の弱気相場」は突然その強いモメンタムを失った。

  もちろん、市場のトレンドがいったん止まって再び動き出すのは自然なことで、結局それが14兆5000億ドル(約1550兆円)規模の米国債市場の運命かもしれない。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の2月27日の議会証言を受けて米国債は売られた。長期債は翌日に若干切り返したが、短期債は引き続き圧力を受けており、イールドカーブ(利回り曲線)の平たん化が続いている。
       

JPモルガン・アセット・マネジメントのベル氏、債券利回りについて語る

(出所:Bloomberg)

  トレーダーとストラテジストは昨年学習した教訓に敏感だ。当時の市場は成長やインフレを巡る楽観に包まれ、10年債利回りは3月14日に2.6277%まで上昇。ただ、この水準を年内に再び見ることはなかった。そのピーク記録日から1周年を2週間後に迎えるが、最近の約2.88%への後退の裏に新たなわなが潜んでいる可能性がある。

  以下に挙げる3月の主要イベントは、債券市場の強気派と弱気派の双方にとって重要であることを証明するだろう。

欧州政治とECB:4日、8日

  イタリアでは4日に総選挙が実施される。ドイツの国債市場は質への逃避トレードのリスクをそれほど織り込まず、10年債利回りは15年以来の高水準付近にとどまっている。

  ドイツではこの日、昨年9月の選挙で歴史的敗北を喫した社会民主党(SDP)がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権参加を受け入れるのか、それとも拒否するのかが明らかになる見通し

  10年物の米国債と独国債の利回り格差(スプレッド)は、1980年代以来の高水準付近にとどまっている。イタリアの選挙で反ユーロのサプライズが起きれば、米国とドイツ双方の国債相場は上昇する可能性があるだろう。

Plentiful Pickup

  次のリスクはその4日後、欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定だ。ドラギ総裁は今週ブリュッセルの欧州議会で証言し、ユーロ圏には「基調的インフレ率が上向く説得力ある兆候が見られないため、ECBは一貫性を持ち、粘り強く」ある必要があると述べた。

重要指標、FOMC:9日、13日、21日

  米国では9日に労働省が2月の雇用統計を発表する。1月のデータでは賃金の伸びが09年以降で最大となり、2月の株価調整の一因とされた。

  13日には1月に急上昇した消費者物価指数(CPI)が発表される。ブレークイーブン・レートは14年以来の最高水準に接近しており、物価上昇加速にトレーダーが備えようとしていることを表している。

  これら統計はそれぞれ20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)につながる。フェデラルファンド(FF)金利先物のデータは、この会合で利上げが確実視されていることを示している。FOMCはまた、メンバーが予測する利上げの道筋を示す「ドットプロット」を公表する。 

Inflation Emerges

米国債発行の次の波:12日、13日

  米財務省は先週わずか3日間で2580億ドル相当の国債を問題なく発行できた。次の課題は、満期が10年と30年を含む国債の発行額を増やして入札を実施することだ。

  2月初めの10年債入札(発行額240億ドル)の需要は5カ月ぶりの低水準だった。15年以来の規模だった30年債入札(同160億ドル)も低調で、特に年金や投資信託からの需要が弱かった。

  財務省は12日と13日の入札で、発行計画に基づき10年と30年の各満期で10億ドル追加する 。また、3年債を280億ドル発行する予定で、これは14年以降で最大の規模。

Paying the Price

  米国の国債発行増加は、連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小と合わせて、利回り上昇を主張する債券弱気派の重要なよりどころとなっている。入札が順調なら、市場が既に消化不良の見通しを織り込んでいる可能性がある。

日本からのサポート:31日

  昨年9月に始まった債券の下落相場が、日本の投資家による米国債保有縮小と一致しているのは偶然ではない。財務省のデータによると、米国債保有で世界2位の日本の保有は5カ月連続で減少し、保有額は約1兆600億ドルと11年以来の低水準となっている。

Where'd You Go?

  債券強気派の一部は、日本の会計年度末に向けて米国債選好が戻ることに期待している。ナットウェスト・マーケッツのブレーク・グウィン氏は「米国債を購入し、このあたりの水準でエクスポージャーを持つことに関心がある」投資家が日本にはいると述べた上で、「年度末にどういった行動を取るのか、向こう1カ月前後の不確定要因の一つであることは確かだ」と語った。

原題:Bond Market Déjà Vu? Here’s What Will Show If Rout Has Legs (1)(抜粋)

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