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パウエルFRB議長が目指す米経済の「軟着陸」、五輪競技級の離れ業

  • 「霧の荒海で空母に着陸しようとするようなものだ」-ザンディ氏
  • 議長自身もリスクを認識、景気過熱なら利上げ加速で景気後退の危険
Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg
Vehicles pass in front of the U.S. Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.
Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がやろうとしているのは、平昌冬季五輪のスノーボード競技で目にした離れ業のようなものかもしれない。それは極めて低い失業率の下で、米経済のソフトランディング(軟着陸)を成功させるというものだ。

  パウエル議長は2月27日の下院金融委員会での公聴会で、今後2年間は米経済にとって「良い」年となるだろうと証言した。だが、ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏や、ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏といった投資家、エコノミストが心配するのは、それから先がどうなるかだ。

  具体的には、労働市場や経済の過熱を防ごうとして米金融当局が利上げを進め、その結果、リセッション(景気後退)を招いてしまうのではないかという懸念だ。ダリオ氏は、2年後を展望すると当局が「うまくやってのけるのは容易でないだろう」と指摘した。

  パウエル議長は27日の証言で、景気加速に伴って当局者が現在予想している年内3回の利上げを見直すことになるかもしれないと認め、今年の利上げ回数が4回に増える可能性に扉を開いた。

  これに対しムーディーズ・アナリティクスのザンディ氏は、パウエル議長がやろうとしていることを、当局が実際に成し遂げたのを目にした記憶がないと話す。ザンディ氏は「失業率が完全雇用水準をいったん下回れば、経済のソフトランディングは極めて難しい。霧の荒海で空母に着陸しようとするようなものだ」と語った。

Rock Bottom Unemployment

  それは、マイナス成長を招くことなく、景気拡大ペースを減速させて失業率を押し上げることを意味し、次の大統領選の年である「2020年にリセッション入りを回避するには、とても巧みな政策運営と幸運を多少要するだろう」とザンディ氏は付け加えた。

  パウエル議長自身もリスクを認識している。27日の公聴会では、現時点で経済が沸き立っているとは考えていないものの、「仮にそういう事態となれば、当局は利上げペースを速めなければならなくなり、それによってリセッションの確率は高まるだろう」と話した。

原題:Powell Shoots for Soft Landing That’s Eluded Seasoned Fed Chiefs(抜粋)

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