Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本株は続落へ、ボラティリティー上昇や円高止まり

更新日時
  • 米ダウ平均は2月8日以来の下げ幅、VIXは1週間ぶり高水準
  • 機械や化学、鉄鋼、非鉄金属が下落率上位、空運1業種のみ上昇
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1日の東京株式相場は大幅続落。米国株のボラティリティーが1週間ぶりの高水準となり、市場波乱の再燃が警戒され、為替の円高止まりも嫌気された。投資家のリスク許容度が低下する中、機械など輸出株、化学など素材株と景気敏感セクター中心に安く、東証1部33業種は32業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比28.04ポイント(1.6%)安の1740.20、日経平均株価は343円77銭(1.6%)安の2万1724円47銭。

  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史・日本株式運用部長は、「昨日の米国株が特段の理由なく下げたことやVIX水準の高い状態が解消されていないことからみて、先月からの調整はまだ完全に終わっていない」と指摘。米国の利上げは今後2年で6回のペースが想定される中、「金利が下がり続けたことから、高バリュエーションが許容された米国株は上がりにくくなる。もし米国株が下がれば、為替が重しになっている日本株だけが上がることは難しい」と言う。

東証内の株価掲示板(イメージ)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  2月28日の米国株はヘルスケアや金融、エネルギー関連中心に売られ、米ダウ工業株30種平均は380ドル安と2月8日(1032ドル)以来の下げ幅となった。シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)も6.8%上昇し、19.9と21日以来の高水準。リスクオフの流れを受けたきょうのドル・円は1ドル=106円台後半で推移、前日の日本株終了時点107円07銭に対しやや円高水準だった。

  いちよし証券の大塚俊一投資情報部長は、「パウエルFRB議長の議会証言による利上げ回数拡大観測が尾を引き、VIXがまだ安定していない。これまで金融相場だった株式市場は、今後足元の企業業績や景気の持続性を一つ一つ確認していくことになりそうだ」とみる。VIX安定の条件は、「FOMCで経済見通しや利上げの先行きがはっきりする」こととし、なお時間が必要と言う。

  28日発表の2月の米シカゴ製造業景況指数は61.9に低下し、市場予想の64.1を下回った。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「パウエルFRB議長の発言が思ったほどハト派でなく、国内でも昨日の日本銀行の国債買い入れオペ減額で金融引き締めが警戒されている中、このところ米国や中国の経済指標が弱いため、弱気派が勢いづいている」と指摘した。

  1日の米市場では供給管理協会(ISM)製造業景況指数やインフレ指標などが公表予定。日本時間きょう午後のの米S&P500種Eミニ先物は軟調に推移した。トヨタ自動車など時価総額上位銘柄中心に売り圧力が強まり、午後の日経平均は下げ幅を一時400円超まで拡大。毎月第1営業日に上昇する月初高アノマリーの連続記録も20カ月で途絶えた。VIXが低下し切れない中、アロケーション変更やリバランスなど投資家の需給要因が働きやすい月初の株安は、「リスク資産を少し外すという判断が働いた可能性は否定できない」とBNYメロンの王子田氏は話していた。

  東証1部33業種は鉱業や機械、化学、鉄鋼、精密機器、非鉄金属、保険など32業種が下落。上昇は空運の1業種。売買代金上位では、新幹線台車枠の亀裂で製造不備を認めた川崎重工業、野村証券が目標株価を下げた住友化学、米キャタピラー株安も波及したコマツが安い。半面、中期計画の更新と自社株買いが評価された日本航空、第1四半期が営業増益のパーク24は高い。

  • 東証1部の売買高は15億1848万株、売買代金は2兆7893億円
  • 値上がり銘柄数は281、値下がりは1746
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