ドル・円が下落、日銀の国債買い入れオペ減額受け-107円台前半

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  • 国債買い入れ減=テーパリングや正常化期待という反応-NBC
  • ユーロ・円の200日線割れ、ドル・円の下落につながるリスク-野村

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。日本銀行が午前の国債買い入れオペで超長期債の買い入れ額を減額したことを受けて、円買いが進んだ。中国製造業PMIが市場予想を下回ったことも円の買い材料となった。

  ドル・円は28日午後3時25分現在、前日比0.2%安の107円07銭。序盤は前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言を受けたドル買いムードの中、仲値公示にかけて107円53銭まで上昇。その後、日銀が超長期国債買い入れの減額を発表すると円が買われ、午後には一時107円02銭まで下落した。2月の中国製造業PMIを受けてアジア株全体が下落していることもリスクセンチメントの重しとなり円高に寄与した。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、「日銀オペ減額を受けて海外の短期勢が脊髄反射的に円買いで反応した」と指摘。超長期債オペの減額は1月9日以来となるが「1月と同様、国債買い入れ減=テーパリングや正常化期待という反応だ」と説明した。このほか、予想を下回った中国の製造業PMIも「アジア株安の背中を押した形になっており、クロス円が緩んできた一因になっている」と述べた。

  日本銀行は午前の金融調節で、残存期間25年超の国債買い入れオペを減額した。1月9日以来。日銀緩和策の継続観測や年度末の季節的な需給要因から超長期債利回りが昨年来の低水準を更新し、イールドカーブのフラット(平たん)化が進んでいることが背景。これに先立ち発表された中国の2月製造業PMI指数は前月から低下し、50.3と市場予想の51.1を下回った。当局が進める公害対策や債務抑制策が重しとなったほか、春節(旧正月)連休中に工場が稼働していなかったことも影響した。

  ユーロは対ドルで一時1.2215ドルと9日以来の安値を付けたほか、対円では一時130円81銭と昨年9月15日以来の安値を更新した。ニュージーランド(NZ)ドルも対ドルで一時0.7220ドルと9日以来の水準まで下げ、豪ドルは中国製造業PMIの下振れを受けて、一時2週間ぶりの0.7781ドルまで下落した。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「パウエルFRB議長の議会証言を受けて年内の利上げ回数に対する市場の見方が3回から4回にシフトしてきており、ドル高方向の動きになりやすい」と指摘。その中で「海外投資家勢の関心はポジションがロングに傾いていたことの修正が期待されるNZドルや50日移動平均線や9日安値などのチャートポイントを割れると下値が広がる可能性のあるユーロの売りに向いている感じだ」と述べた。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは海外時間のユーロの動きに着目。「イタリア総選挙を控えた備えで、ユーロ単体では市場はショートになっており、ここからさらに下落のイメージはしづらい」とした上で、「ユーロ・円は200日移動平均線をしっかり割り込んできている。ユーロ単体では下がりづらい中でユーロ・円が下がるとすると、ドル・円の下落となりやすい」と述べた。

パウエルFRB議長の議会証言についての記事はこちら

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