日銀、25年超買い入れ減額-円高心配ないタイミング狙ったとの声

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  • 残存25年超の買い入れ額を700億円と、前回から100億円減額
  • 一段のフラット化を止めたかったことや円高懸念緩和-三菱モルガン

日本銀行は28日の金融調節で残存期間が25年を超える国債買い入れを減額した。超長期債利回りが昨年来の低水準を更新し、利回り曲線のフラット(平たん)化が進行したことに対応するため、外国為替市場でドル安・円高基調に一服感が出ていたタイミングを狙ったとの見方が出ている。

  日銀が午前10時10分に通知した金融調節によると、25年超の国債買い入れ額を700億円と前回から100億円減額した。1回の買い入れ額としては2014年10月(350億円)以来の規模となり、同ゾーンでは1月9日に続く100億円の減額となった。一方、1年超3年以下は2500億円、3年超5年以下は3300億円、10年超25年以下は1900億円と、前回から据え置いた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、日銀オペの減額について、「30年や40年国債利回りの一段のフラットニングを止めたかったことに加えて、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の証言での発言を受けてドル安の流れが一服し、円高進行への心配がなくなっていたタイミングを狙ったのではないか」と述べた。

  市場では、ドル・円相場が今月に15カ月ぶりの円高値の1ドル=105円55銭を付けるなどドル安基調が続いていたことから、日銀は買い入れ額の変更で慎重にならざるを得ないとの見方が出ていた。だが、27日のニューヨーク市場では、パウエルFRB議長による米議会証言で、米経済に対する強気な姿勢が示されたことからドル高が進行。ドル・円は一時107円68銭と1週間ぶりの水準までドル高・円安が進行した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、FRB議長の米議会証言を受け、市場の米利上げペース加速観測が強まってドル安進行懸念がやや後退したため、日銀としては減額しやすくなったと指摘。米国債は売られたが、日本国債の相場は3月末に向けて好需給環境が続くとみられるため、減額するなら「今のうち」だったと分析している。

  現物債市場では、新発30年物国債57回債利回りはオペ通知直後に0.765%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い水準で取引され、現在は0.755%で推移している。新発40年物10回債利回りは横ばいの0.885%で推移した後、0.88%に下げた。先週末には新発30年債利回りが昨年4月以来の0.75%、新発40年債利回りは昨年1月以来の0.875%まで低下していた。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、残存25年超については減額があるかもしれないとの見方もあったのでそんなに意外感はないと指摘した上で、「超長期ゾーンのフラット化はあくまでも季節要因的な部分も加わっているので、それが過ぎれば元に戻る。このところの超長期債の動向を見て少し減らしたとは言える。今回の減額を起因として円高が進むリスク残る」と話した。

(見出しの一部と市場関係者のコメントを差し替えました.)
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