Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

日本株は反落へ、米利上げ懸念で景気不透明感

更新日時
  • パウエルFRB議長は経済に自信深める、米10年債利回りは2.89%
  • 中国の2月の製造業PMIは市場予想下回る、朝方の円安も一服
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

28日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。米国のことしの利上げ回数が増えるとの観測や中国経済指標の下振れを受け、景気の先行き不透明感が広がった。自動車や機械など輸出株、鉱業や石油など資源株、鉄鋼株など景気敏感セクターが売られ、銀行や不動産株など幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比22.10ポイント(1.2%)安の1768.24、日経平均株価は321円62銭(1.4%)安の2万2068円24銭。両指数ともきょうの安値引け。

  ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史運用部長は、「マーケットは年4回の米利上げを織り込みにいっており、適温相場のいったんのステージ終了と将来の景気鈍化懸念から株式市場にはネガティブに働く」と指摘。さらに、中国景気がスローダウンし始めたときに米金利が上昇していくと、「新興国経済が弱くなり、やがて米景気にも影響する可能性があると市場は見始めている」とも話した。

東証アローズ

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  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日、下院金融委員会で「経済に関する私の個人的な見通しは12月以降に強まった。インフレ率が目標に向け上昇しつつあるとの予想に対する自信を強めるデータが出ている」と発言。金融当局が現在3回としている年内の利上げが4回に増えることもあり得るとの見方が広がり、米10年債利回りは2.89%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「パウエル議長の議会証言はイエレン前議長が発言してきたことと基本的に同じで、想定の範囲だった。米国株安は議会証言に併せて買い戻しが急だったための反動」とみている。一方、可能性は低いとしながらも、「議会証言から読み取ると、景気が加速して物価上昇率が高まれば、ことし4回の利上げはあり得る。将来的にインフレ懸念が出てくると、実体経済を傷つけかねない」とも言う。

  27日の米国株は金利上昇が逆風となる不動産、公益セクター中心に下げ、S&P500種株価指数は1.3%安、ダウ工業株30種平均は300ドル近く下げた。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「FRB議長の発言後のマーケットはことしの米国の利上げが3回から4回に増えることを織り込む動き。利上げが加速すれば、過剰流動性が細り、リスクを取る市場のマネーが減少する結果としてPERが低下していく懸念がある」と指摘した。

  安く始まったきょうの日本株は為替のドル高・円安推移が下支えし、TOPIXは一時プラス圏に浮上する場面もあったが、午後は一段安の展開。日本銀行が午前の金融調節で残存期間25年超の国債買い入れオペを減額した後、円安傾向が一服したほか、中国の2月の製造業購買担当者指数(PMI)が50.3とエコノミスト予想の51.1から下振れた影響を受けた。

  東証1部33業種は鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品、パルプ・紙、銀行、輸送用機器、不動産、機械、電気・ガスなど31業種が下落。上昇は精密機器、空運の2業種。売買代金上位では、大株主の米アルタバが保有株売却の方針を示したヤフーが急落。みずほ証券が投資判断を「中立」へ下げた新日鉄住金も安い。半面、東海東京調査センターが目標株価を4万円に上げたブイ・テクノロジーは急騰。モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を「オーバーウエート」へ上げた小野薬品工業、クレディ・スイス証券が目標株価を上げたテルモも高い。

  • 東証1部の売買高は15億4229万株、売買代金は2兆9370億円、代金は前日から12%増えた
  • 値上がり銘柄数は679、値下がりは1326
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