Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本株は続伸へ、米金利やボラティリティー落ち着き

更新日時
  • 米10年債利回りは2.86%に低下、VIXは3週ぶり低水準に
  • 医薬品や情報・通信、電気・ガスなどディフェンシブの上げ顕著

26日の東京株式相場は続伸。米国の長期金利やボラティリティー(変動性)の低下、米国株高を受け投資家心理が改善した。電機や精密機器など輸出株のほか、情報・通信や医薬品、パルプ・紙など内需株まで幅広く買われ、特にディフェンシブセクターの上昇率が大きい。

  TOPIXの終値は前週末比14.28ポイント(0.8%)高の1774.81、日経平均株価は260円85銭(1.2%)高の2万2153円63銭。

  三井住友アセットマネジメント・株式運用グループの平川康彦ヘッドは、「金利上昇スピードの速さとボラティリティーの上昇に驚いたポジションのアンワインド、リスクアセットの売りは値幅面でかなり進んだ」とみている。マクロ環境にショックがない中での過去の金利上昇局面では、「おおむね20ー30営業日で株式市場の混乱が収束している印象。日本株が1月後半から頭打ち傾向だったことを考慮すると、日柄調整もほぼ調整を終えた可能性がある」と言う。

東証内

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  23日の米金融市場は、経済の拡大が加速しても金融当局は利上げを急がないとの見方が強まり、10年債利回りは2.86%に低下。シカゴ・オプション取引所ボラティリティー指数(VIX)も16.5と、1日以来の低水準となった。一方、米S&P500種株価指数は1.6%高の2747.30と、50日移動平均線を1週間ぶりに上回って終了。米連邦準備制度理事会(FRB)が23日に公表した2月の金融政策報告は、労働市場は完全雇用に近いなどと言及した半面、金融面では一部でレバレッジの高まりや高バリュエーションの兆候が見られるとの認識を示した。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「米金利が3%を超え、3.2%あたりまで上昇していくと世界経済に与える影響は計り知れなかった」とし、「米長期金利は節目の3%を前に落ち着く方向。パウエルFRB議長が議会証言で刺激的な発言をせず、緩やかな利上げペースの継続を示すとの観測が市場にある」と話した。パウエルFRB議長の下院での議会証言の日程は、27日に1日前倒しとなった。

  また伊藤氏は、中長期チャート上から日経平均は昨年9月8日安値からことし1月高値までの上昇に対するフィボナッチの61.8%押し水準2万1100円をややオーバーシュートして下げ止まったと指摘。上昇基調を維持する200日線で日経平均が再浮上したことも「株価調整の一巡を示唆している」とし、当面は2万1000ー2万3000円のレンジ相場となる可能性があると予想した。

  週明けの日本株は幅広い業種が上げた中、ディフェンシブセクターが強さを見せた。三井住友アセットの平川氏は、「投資家は、これまで上昇が目立っていた銘柄のポジションを戻り過程で整理しようとする一方、薬価改定が懸念された医薬品やコスト上昇が懸念された電気・ガスなどの業種は今回の調整前まであまり買われていなかった」と分析。投資家のポジションによる戻り売り圧力の違いが、結果的にディフェンシブ関連の上昇率が大きくなった一因とみていた。

  東証1部33業種は精密機器、医薬品、情報・通信、パルプ・紙、卸売、電気・ガス、証券・商品先物取引、陸運など31業種が上昇。非鉄金属と保険の2業種のみ下落。売買代金上位では、品質検査不正の業績影響は軽微との見方が広がった宇部興産、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を上げたカシオ計算機が高い。これに対し、既存店売上高が6カ月連続減少したしまむら、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が判断を下げた北海道電力は安い。

  • 東証1部の売買高は12億4254万株、売買代金は2兆2469億円
  • 値上がり銘柄数は1352、値下がりは621
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