誰も見たくないグーグル連勝-無人走行車用地図作製の大競争時代

  • ダッシュボードをグーグルに委ねることに消極的な自動車メーカーも
  • 新規参入組は全員生き残ることはできないと認識-ルオ氏

さまざまな企業の自動運転車両が、シリコンバレーの同じ街角を走り回り、地図を作製している日が訪れるかもしれない。どの車も同じことをするのだ。最終的に無人走行車に搭載されるナビゲーションとなるかもしれない精密度の高い路上地図作製だ。

  こうした地図作製の試みは、法律で認められ天候も良い場所に集中する。例えば毎年ラスベガスで開催される家電見本市「CES」の会場付近にも地図作製車両が殺到する。エバコアISIのアナリスト、クリス・マコナリ-氏は「ただCESに行くために50社程度がラスベガスのマッピングをしている。なんとも無駄な話だ」と言う。

  強力なセンサーや最新ソフトウエアなどのテクノロジーと大規模投資を必要とするこうした大競争を勝ち抜くため、企業同士が手を結ぶこともある。米アルファベット傘下のグーグルは、渋滞を避けたり、レストランを探したりする消費者向けデジタルマップで圧倒的な勝ちを収めた。ナビゲーション専門会社や自動車メーカー、それに米アップルでさえかなわなかったが、そうした状況が繰り返されるのは誰も望んでいない。

グーグルのオフィス

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  グーグルは車両マッピングサービスを自動車向け基本ソフト「アンドロイド・オートモーティブ」を利用している自動車メーカーに提供。これまで3社と提携しているが、他のメーカーはダッシュボードをグーグルに明け渡すことに消極的だ。

  グーグルの広報担当者は「世界の包括的マップを製作している。自動車向けにわれわれのマップの有用性拡大に取り組んでいる」と述べたが、今後の計画についてはコメントを控えた。

  アルファベット傘下で自動運転車開発を進めるウェイモや配車アプリの米ウーバー・テクノロジーズ、それにゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターといった米自動車メーカー大手が無人運転車で使える精密なマップ作製に向け取り組んでいるほか、ハードウエアや専門ソフトを手掛ける幾つもの新興企業がこの分野で出遅れたと感じている自動車メーカー向けにマップサービスを提供している。

  自動運転車向けマップは、従来のデジタルマップよりはるかに製作が難しく、デトロイトやシリコンバレー、中国など各地で膨大な投資を促している。フォードが10億ドル(約1100億円)を投資したアルゴAIを率いるブライアン・サレスキー氏は「自動運転車に必要なのは、可能な限り詳細かつ正確でアップデートされ続けるマップだ。お仕着せのソリューションは全く生き残れない」と話す。

  今のところ、自動車メーカーの大半はマップ作成で大規模投資を進めるというより、成り行きを見守っている状況だ。フォードの広報担当者は複数の新興企業との協力は「リサーチ」だと説明。GMの広報担当レイ・ワート氏は、同社は自社によるマッピングを選好していると語る。

  ディープマップの最高執行責任者(COO)で元グーグルのウェイ・ルオ氏は、全員が生き残ることはできないことをこの分野の新規参入組は認識していると指摘し、「ナビゲーションマップや検索エンジンと非常によく似ている。スケールが大きいほど有利だ」と述べている。

原題:Nobody Wants to Let Google Win War for Maps All Over Again (2) (抜粋)

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