【日本株週間展望】反落、重要イベントで米金利上昇警戒-VIX支え

  • パウエルFRB議長が初の議会証言、PCEコア価格指数は上昇予想
  • VIXは低下傾向、イベントを無難に通過なら投資心理落ち着きも

2月4週(2月26ー3月2日)の日本株は反落が予想される。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言や物価指標など重要イベントがあり、米国の長期金利上昇や為替の円高が景気や企業業績に与える影響が懸念されそう。

パウエル議長

Photographer: Aaron P. Bernstein/Bloomberg

  5日にFRB議長に就任したパウエル氏が28日、3月1日の両日に初の議会証言を行うことが最大の注目点。21 日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)会合(1月30、31日開催)の議事録によると、当局者らは経済見通しに前向きな見方を強めたほか、インフレ目標達成についても楽観の度合いを強めている。パウエル議長の発言後も米利上げペース加速への懸念が払しょくできなければ、2014年1月以来最高の水準まで上昇した米10年債利回りがさらに上がる可能性がある。

  米経済指標では27日に2月の消費者信頼感指数や1月耐久財受注、3月1日は2月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数や1月の個人所得・個人支出(PCE)が発表の予定。ブルームバーグが集計した市場予想は消費者信頼感が126(前回125.4)、耐久財受注は前月比2.5%減(同2.8%増)、ISM製造業は58.7(同59.1)、PCEコア価格指数は前月比0.3%上昇(同0.2%上昇)と、強弱まちまちだが、PCEコアが上昇すると市場の目はインフレ懸念に向かう可能性がある。為替市場でリスクオフやドル安による円高傾向が強まれば、日本企業の業績の重しとなる。大和証券の試算では、1ドル=110円前提で今期経常17%増益、来期8.5%増であるのに対し、105円だと来期は7.2%増へ鈍化する見込み。

  金利や為替への警戒は残るものの、シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)は2月初旬のピーク圏からは低下。重要イベントが懸念されたほど米金利の上昇につながらなければ、不安心理がやや落ち着く可能性もある。このほか、28日には中国の2月製造業購買担当者指数(PMI)、国内では28日に1月鉱工業生産、1日に17年10-12月期法人企業統計が控える。第3週の日経平均株価は週間で0.8%高の2万1892円78銭と続伸。

≪市場関係者の見方≫
アセットマネジメントOne運用本部調査グループの中野貴比呂ストラテジスト
  「値動きが大きい要注意の週となりそうで、方向としては下向きの可能性が高い。内外株式市場はいったん落ち着いているものの、基本的に高値後の調整局面で、米長期金利が3%の節目を超えるとボラティリティーが高くなろう。経済が堅調でインフレが強まっているだけに、パウエルFRB議長が議会証言でありのままの景気認識を話すだけでも金利が反応しかねない。住宅やISM、PCEコアが強めに出ると金利上昇につながる。米金利は低い水準から上がっているだけに、金利上昇が世界の景気に与える影響を軽視すべきではない」

T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長
  「もみ合いを想定する。為替市場ではリスクオフなど複数の要因からドル安・円高傾向を醸し出しており、投資家は日本株が底を打ったか確信が持てない気迷い状態。円高が続けば企業は来期の為替レートを105円かそれ以下に設定し、来期増益率は市場が予想していたより低くなる可能性が出てくる。パウエルFRB議長の議会証言は安全運転で終わりそうだが、米景気指標が強めで出てくると金利が上昇、米国株が調整色を強めるなら日本株も上がりにくい。もっとも、米国株は一時に比べてやや落ち着きを取り戻している。経済や企業業績がしっかりしていることを反映したと考えられ、先行きを過剰に心配する状況ではない」

三井住友信託銀行・投資顧問業務部の鎌田一明運用企画グループ長
  「割安感を手掛かりに上昇しそうだ。米国では景気回復期に財政拡大という経験則がなく、マーケットが読み切れずに長期金利の急上昇を招いたが、これはしゃっくり程度のこと。冷静さを取り戻すのに時間はかからない。VIXが20を下回り、ボラティリティー低下で株価は好業績や堅調な経済などファンダメンタルズ評価でじわじわ戻ってくる。日本の法人企業統計では利益率拡大や売上高の伸びが予想される。TOPIXのPERは14倍前後と、過去15年平均の約17倍からみて見て割安。リスクは為替動向」

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