債券トレーディングの手引き-米10年債利回りが3%に達したら

  • 10年債の3%は鍵となる水準だが、投資家は対応可能
  • トレーダーらは11年の3.05%超えの水準を重視

現時点では米10年債利回りが3%に達する可能性を考えるよりも、いつ到達するのかを考えることの方が重要だろう。そしてそれが必然的に、3%に達した場合にどう取引するのかという差し迫った問題が提起されることになる。

  2014年1月以降、10年債利回りは3%を超えたことがない。昨年の初めからはダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏やグッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏ら債券業界の大物は、30年に及ぶ債券の強気相場が終わるのかどうかを判断する重要なポイントとしてその水準を強調してきた。また、株式相場が崩れ、対主要通貨に対するドルの低迷が終わる可能性があるポイントとしても注目されている。

  指標の10年債利回りがことさら強調された数字に到達した際に見るべきポイントは以下の通り。         

「ブレークアウト」か「プルバック」か

  トレーダーにとって最も差し迫った問題は、10年債利回りが3%に達した後に低下するのか、それとも利回りがさらに上昇するシグナルをポジションが示すのかどうかだ。ボラティリティー予想とその影響に、大きな違いが出てくる可能性がある。

  RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティー氏は「確かに3%に近づくにつれて、人々は神経質になるだろう」と述べた上で、「3%に近づけば近づくほどフローが強くなり、市場は幾分不安定になりそうだ」と語った。

  一部の投資家が恐れるほどボラティリティーは悪くないかもしれない。公に話す権限のないニューヨークのトレーダーが匿名を条件に語ったところによると、市場が将来落ち着くと予想する際に効果的な「ショートガンマ」戦略はこうした賭けを着実にヘッジしている。これは3%を超えて利回りの上昇が加速する可能性が低いことを意味する。

テクニカル分析

  正確に言うと、トレーダーは10年債利回りが14年1月2日の日中に付けた3.0516%を突破するかどうかを見ている。10年債利回りが最後にその水準を上回ったのを確認するには、11年7月までさかのぼらなければならない。

  テクニカル分析には反対論者もいるが、16年の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利して以降はこれから起こることの前触れになっている。17年は一年を通して重要な水準の2.64%を上回らなかった。ストラテジストは、そこを突破すると3%までほとんど抵抗がない「無人地帯」に入ると警告。確かに10年債利回りは1月に2.64%に上昇した後、現在3%目前に迫っている。

  次の節目は不透明だ。スタイフェル・ニコラウスで政府債トレーディング責任者を務めた独立系ストラテジストのマーティン・ミッチェル氏は、3.05%を超えると次の抵抗帯は10年終盤から11年初めにけ付けた3.14%か3.15%付近とみている。さらに3.215%から3.25%をポイントに挙げた同氏は「利回りが上昇基調にあると信じている。債券市場が強ければ売られるはずだ」と述べた。
    

株式を横目でにらむ

  もちろん債券は単独で存在しているわけではない。2月5日に10年債利回りが約14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)急低下したことは忘れやすいが、株式相場が急落した際に資金の避難先として需要が高まった。ただ、株式相場が安定すると、利回りは再び上昇し始めた。
  
  正確な水準は別として、債券トレーダーは3%に達した後の利回りがどちらの方向に向かうのかの最良の手掛かりを株式から見いだす可能性がある。株式市場の急落は2つの資産クラスの「勢力争い」がまだ残っているかどうかを表した。金利上昇を抑える役割を果たし、恐らく米当局による金融の引き締めすぎを防ぐだろう。3%で株式相場が動揺するなら、売りを継続するゴーサインだ。
        
原題:Bond Market Guide to Trading When 10-Year Treasury Yields Hit 3%(抜粋)

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