Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

円全面高、日米株安でリスク回避圧力

更新日時
  • 対ユーロで昨年11月以来の高値、対ドルで一時107円15銭まで上昇
  • 米金利が3%に突っ込むか、株が底堅さ取り戻すかが注目-みずほ証
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場では円が全面高。前日の米長期金利の上昇を受けて米国株や日本株が下落する中、リスク回避の動きからクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心に円買いが強まった。

  円は主要10通貨全てに対して上昇。ユーロ・円相場は一時前日比0.6%安の1ユーロ=131円58銭と昨年11月以来の水準まで円高が進行。豪ドル・円相場は1豪ドル=83円台半ばと14日に付けた昨年6月以来の水準付近まで円高に振れた。

  ドル・円相場は1ドル=107円台後半から一時107円15銭へと2営業日ぶりの水準までドル売り・円買いが進行。午後は日本株が下げ渋るのに伴い、やや値を戻した。同4時現在は前日比0.2%安の107円57銭で推移している。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、米長期金利の3%が射程距離まできているのを見ながら米株が下がり、ボラティリティーが再び上昇しているので、「リスク回避の円買いとなる可能性が出てくる」と指摘。「米国市場が開いて、金利が3%に突っ込んでいくのか、株が底堅さを取り戻せるのかが注目、それ次第」と話した。

  前日の米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表を受けて、米10年債利回りが2014年1月以来となる2.95%まで上昇し、米国株は続落した。米S&P500種ミニ先物はアジア時間の取引で一時0.6%安。日経平均株価は234円安で取引を終了、一時は300円超下げる場面も見られた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、米金利上昇について、米景気がしっかりしているからと解釈すれば実力見合いの上昇だが、「財政赤字拡大懸念、需給悪化懸念と悪い金利上昇も混じっているとなれば、株に心理的に悪い影響を与える」と指摘。「マクロ経済にボディブローとなる金利水準なのか判断するのに時間がかかる」と語った。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はミネアポリスでのブルームバーグ開催のイベントで、最近の米経済指標にインフレ率加速の「若干の兆候」がある一方、単月のデータは政策当局者が大きく手掛かりにするものでないと強調した。米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ理事は東京都内で講演し、米経済は「危機以降で最良」と述べるとともに「緩やかな」利上げの道筋に支持を表明した。

  21日公表のFOMC議事録では、当局者らが経済成長やインフレの見通しに対し前向きな見方を強めつつあることが示された。ドルは議事録公表後に一時下げたが、その後上昇に転じ、この日の東京市場でも円以外の大半の主要通貨に対して底堅く推移した。

  米金利や米国株の動向が注目される中、米国ではこの日、ニューヨーク、アトランタ、ダラスの地区連銀総裁が講演する。欧州では欧州中央銀行(ECB)が1月24、25日開催の定例政策委員会の議事要旨を公表する。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.2262ドル。一時は1.2260ドルと12日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。 

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の植野氏は、ユーロ・ドルは「ECBの出口戦略を織り込み過ぎた調整の動き」で、独政権やイタリア総選挙の不透明感も重なると指摘。「3月に1.2ドルまで落ちる可能性はあると見込んでいる」と話した。

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