Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

波乱日本株市場で「個人」が存在感、4週連続買い越す-現金主導

更新日時
  • 2月2週は851億円買い越す、第1週買越額7458億円は過去最大に
  • 「現金買い」が「信用買い」上回る、相場の緩衝材役に期待感
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

2月に入り大荒れの日本株市場で、需給面から個人投資家の存在感が増している。株価の下落局面で買いを入れる「逆張り」の投資スタンスを確認し、市場関係者の間では相場の下方圧力が軽減されるとの期待も出ている。

  東京証券取引所が22日に発表した2月2週(13ー16日)の投資部門別売買動向(東・名証1、2部等合計)によると、個人は4週連続で日本株を買い越し、買越額は851億円。前の週は7458億円とブラックマンデーのあった1987年10月3週(6505億円)を上回り、過去最大を記録していた。4週連続の買い越しは昨年4月1週以来、10カ月ぶり。4週間の累計買越額は1兆2859億円に達した。

株価ボードと歩行者(イメージ)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  大和住銀投信投資顧問・株式運用第1部バリューグループの岩間星二シニア・ファンドマネジャーは、「個人は相場が調整したときに押し目買いを入れる傾向がある。景気が引き続き良好で企業業績に減速感が見られず、PERも割安になってきたことから、あくまで上昇相場の中での株価調整として絶好の押し目買いの機会と捉えているのだろう」と指摘した。

  日本株を強気にみる中で、「この1年ほど大きな押し目がなかったことから、ずっと待っていた買いのマグマが噴出したことが表れている」とも岩間氏は話す。

  TOPIXは2月1週に週間で7.1%安と下落率は2016年2月2週(13%)以来、2年ぶりの大きさとなった。米国長期金利の上昇ピッチが加速し、リスク資産回避の流れが国内にも波及、14日には一時1691.65と昨年10月13日以来、4カ月ぶりに1700ポイントを割り込んだ。1月に2万4000円台まで上昇した日経平均株価も、14日には一時2万1000円を下回った。

  足元の個人の買い越しは、「現金」が「信用」を大きく上回っている。1月5週は現金より信用での買越額が多かったものの、2月1週は現金が5644億円と膨らみ、信用は1814億円。第2週は現金で898億円を買い越した半面、信用は47億円の小幅売り越しだった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、「個人の現金はいわゆる中長期の投資家で、徹底した逆張り。1回買うと2年、3年でも持つというスタンスの人が多い」とした半面、個人の信用取引はデイトレーダー的色彩が強いと言う。個人の現金が1000億円を超す買い越しとなったのは昨年は2回しかなく、「現金の買いはマーケットにとってショックアブソーバー(緩衝材)になる」ともみている。

  T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長は、「個人は日経平均が2万円を超える際に大きく売った」との認識だ。昨年の日経平均チャートを見ると、5月から8月までは2万円が上値抵抗線となっていたが、9月中旬以降にこれを突破、上昇基調を強めた経緯がある。個人は現物株を昨年9月に9097億円、10月に1兆8134億円と大量に売り越し、月間では4月から12月まで9カ月連続の売り越しを記録。山中氏は、「手元に売却資金があるだけに、景気の良さを背景として株式に魅力を感じる向きもあるのではないか」と指摘している。

(文末に市場関係者見解、月間売買動向を追記.)
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