女性「太眉」なら株高のアノマリー、新兆候で相場転機か

  • 戦後復興やバブル期に太眉ブーム、大恐慌や平成不況時は細眉
  • 13年以降の「ナチュ太眉」は終息傾向と資生堂、株価ボックス入りも
眉毛のトレンドが物語る日本の株式市場とは

オードリー・ヘプバーン、安室奈美恵。女性ファッションリーダーの眉はその時代の世相を映し、株式市場では「太眉」流行時に株高のアノマリー(理論的根拠のない経験則)がある。2013年からの明るく短いナチュラル太眉の人気に陰りが見え始め、順調な上昇を続けた日本株にも変化が生じる可能性が出てきた。

80年代初期から中期に流行した「太眉」

Source: Shiseido

  資生堂ビューティークリエイションセンターの鈴木節子トップヘアメイクアップアーティストは、「世の中に流れている空気や時代感の変化に女性はとても敏感」で、化粧の中で眉は「重要なパーツ。鼻は変えられないが、眉は最も変えやすい。太いと『エネルギッシュ』、細いと『か弱さ』など形や太さで表情や感情、年齢まで操作できる」と言う。

  最近の太眉ブームは「3、4年続いていたので、メーキャップの中で大きなブームと言えるものだった。16年終わりからは終息傾向となり、今は太眉ブームの真っただ中ではもう既にない」と鈴木氏は分析。大きな流行と流行の間には必ず移行期があり、「その時にはニュートラルに戻るということが多い。今は太さではない。眉山を作っている眉が見られ始め、それが新しい兆候」と指摘した。

  資生堂によると、女性の眉メークは1950年代の戦後復興期や80年代初・中期、80年代後期からのバブル経済期などで太眉が流行した。当時の日本株に目を移すと、日経平均株価は80年代中ごろから上昇基調を強め、89年末に史上最高値(3万8915円、終値)を記録。直近の「ナチュ太眉」ブームはアベノミクス相場とも重なり、5年間で2.2倍になった。

  一方、世界大恐慌の30年代やオイルショックの70年代、平成不況や歌手の安室奈美恵をまねる「アムラー・ファッション」がはやった90年代後半から2000年代初期は「細眉」が人気化。平成不況で山一証券やマイカルなど上場企業の倒産が相次いだ96年から02年までの7年間は、99年を除き6回下げている。

90年代後半から2000年代初期の「細眉」ブーム

Source: Shiseido

  SBI証券の雨宮京子シニアマーケットアドバイザーは、「スカートの丈や眉の太さは景気サイクルと同じ動きをしている」とみる。背景には「流行がほぼ5年、10年の周期でくるのと景気サイクルが同じというのがある」とし、株式市場で「アノマリー的に使われるというのがある」と話した。

  ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャーは、「株式市場ではまず底流にファンダメンタルズ分析があった上で、アノマリーはストラテジストや業界アナリストらが説明の最後にお遊び的に付け加えることがある」との認識だ。常に先を読む金融市場では、後追いになりがちなファンダメンタルズだけで相場の天井や底を当てるのは難しく、過去に関連があったものはアノマリーの材料にされやすいという。

  世界の株式は1月まで低金利と堅調な景気や企業業績、株高が共存する「適温相場」で右肩上がりを続けてきたが、2月に入り変調を来した。ドルトンの松本氏は、米金利とボラティリティーが下がり続ける従来の相場は「金利が明確に上がり始めたことで完全に転換点を迎えた。局面は変わった」と判断。急激な上昇の後には調整があり、「次の相場への期待が高まるまでは一定のレンジが続きやすい」と予想する。仮に太眉と株高の関連性があるなら、足元の太眉ブームの終息は「今後の物色動向の変化を示唆しているのかもしれない」とも指摘した。

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