告白はモナリザの前で-セレブや超富裕層に広がる

  • ルーブル美術館、閉館時に一部スペースを借りることができる
  • システィーナ礼拝堂、330万円で30分のプライベートツアー予約可能

インドの世界遺産、タージマハールはムガール帝国皇帝シャー・ジャハーンのラブレターだ。1631年、妃(きさき)が出産時に亡くなったことを深く悲しみ、皇帝が建設を決めた。

  現代では超富裕層が恋人や配偶者に自らの愛情を示すためにそうした歴史的なモニュメントを造るということはしないかもしれない。だが、最上級で自分たちだけの特別でロマンチックな結婚式や新婚旅行をしたいという需要があるのは確かで、代金を支払う用意があればそれは不可能ではない。

イタリアのアマルフィ海岸でのプライベートディナー

出典:Ovation Vacations

  新婚旅行専門の旅行代理店トラベル・シブリングスの共同経営者ハーラン・デベル氏によれば、「ルイ・ヴィトンやバカラあるいはオルセー美術館といった店舗や公共施設でプライべートディナーを楽しむことは可能だ。文字通り、お金があれば何でもできる」のだと言う。

  マット・デイモンやジェイミー・フォックスら多くのセレブの旅をコーディネートしたミシェル・ラゴ・ディスティネーションズのミシェル・ラゴ氏はこうしたぜいたくな旅をアレンジするサービスは緒に就いたばかりだが、急成長していると語る。「2年前、私が扱ったのは2件だが去年は3件で、今はこの分野での存在感を高めることに取り組んでいる」そうだ。顧客の心をつかみ、固定客を得るのに適したビジネスだとも説明する。

システィーナ礼拝堂

システィーナ礼拝堂

フォトグラファー:エド・フリーマン/イメージバンク

  ラゴ氏はバチカンにあるシスティーナ礼拝堂で顧客のためにプライベートな時間をアレンジした。結婚40年目を迎える夫婦のためで、結婚記念日の前夜だった。「信仰心」の厚い有名な起業家夫妻だったという。ミケランジェロの天井画で有名なこの場所は普段なら観光客ら人々でいっぱいだ。約2万5000ユーロ(約330万円)でシスティーナ礼拝堂の30分間のプライベートツアーを予約できる。

ロイヤルプロポーズ

ロンドン塔

写真家:Tetra Images / TetraイメージRF

  デベル氏によれば、「英国的なあらゆるもの、特に中世に魅了されている」カップルは、ロンドン塔のプライベートツアーを楽しんだという。英国のヘッジファンド運用に携わるカップルで、プロポーズされた花嫁となる顧客はプライベートツアーのクライマックスがロンドン塔だとは予想もしていなかった。

サプライズパーティー

バハマのムシャケイにあるリゾート施設

出典:Musha Cay

  オベーション・バケーションズのジャック・エゾン氏が手掛けたのは、バハマのオーシャンクラブ(最近「フォーシーズンズ」ブランドとなった)でのサプライズパーティーだ。ニューヨークの有名カップルで、不動産投資家の夫がファッションデザイナーである妻の40歳の誕生日を祝うため、夫が妻に内緒で親族や友人らを招待。

ムシャケイの海辺で映画を楽しむ

出典:Musha Cay

  エゾン氏によると、「婦人の方は夫婦だけの休暇」だと思っていて、プライベートジェットを降りて自分のために集まってくれた人々を目にすると、「サプライズ!」と叫んだという。

アマルフィ海岸

「パラッツォアビーノ」でのプライベートディナー(花火が打ち上げられた)

出典:Ovation Vacations

  エゾン氏の顧客の1人であるアクセサリーデザイナーは、旅先のイタリアのアマルフィ海岸で特別な誕生日を祝いたいと考えていた。同氏がこの顧客カップルのためにアレンジしたのはホテル「パラッツォアビーノ」のビーチクラブでのプライベートディナーだ。バイオリンの生演奏や打ち上げ花火に加え、ダイヤモンドの指輪などの形をした4つの小さなケーキが供されるロンドンのホテル「バークレ-」のおしゃれなアフタヌーンティープログラムを再現した。

英王室御用達

ハイドパークで乗馬を楽しむ

フォトグラファー:Anadolu Agency

  乗馬を愛する不動産ブロ-カー、ウェード・ジェイルズさんと起業家のジェフ・シャブさんのため、ラゴ氏は2人をロンドン乗馬クラブの会員にしてハイドパークで乗馬を楽しんでもらった。ジャイルズさんの30歳の誕生日を祝うためだが、ラゴ氏によれば「スーパーセクシー」な体験であったに違いない。何しろ英女王の馬を世話する裏舞台を目の当たりにし、それから女王杯が毎年開催されるコワースパークのガーズ・ポロ・アカデミーにヘリコプターで向かったのだ。ロンドンに戻るとロールス・ロイス「ファントム」の出迎えで、高級ディナーを楽しんだ。

ルーブル美術館

ルーブル美術館

フォトグラファー:Shaun Egan / AWL Images RM

  極めつけはパリのルーブル美術館かもしれない。閉館時に一部のスペースを借りることができるのだ。トラベル・シブリングスは、モナリザが最も好きな絵画だというニューヨークのヘッジファンド運用者と不動産弁護士のためにこの名画が展示されているドゥノン翼を確保。

  名門ホテル「リッツ・パリ」でディナーの後、片膝をついてカルティエの5カラットのリングを差し出した男性のプロポーズを、もちろん女性は受け入れたという。「その瞬間、モナリザが本当にほほえんでいたように思えた」とデベル氏は打ち明ける。

原題:How the Ultra Wealthy Say ‘I Love You’ With Over-the-Top Travel(抜粋)

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