中国の春節連休にテクノロジーの波-お年玉もモバイル経由で

  • 春節のお年玉「紅包」はスマホで贈り、里帰りも高速鉄道で迅速化
  • ホテルの稼働率は低調、花火で大気汚染に拍車が掛かる

中国の春節(旧正月)連休は、米国の感謝祭とクリスマス、独立記念日をひとまとめにしたようなものだ。

  空路や陸路で帰郷したり、あるいは海外旅行を楽しんだり、中国全土で大移動が繰り広げられる。故郷に戻れば家族と食事を共にし、プレゼントを交換するほか、各地で魔よけの花火も打ち上げる。だが、中国でもテクノロジーが台頭。急速に変化する社会と経済への影響もあり、数千年続いてきた春節も無縁ではない。

モバイル経由でお年玉

  春節における変化を最も明確に示しているのは、お年玉である「紅包」の贈り方だろう。紅包は伝統的に赤い封筒に現金を入れて子どもや家政婦などに配られるが、中国で起きている電子決済革命でこうした習慣もオンラインで行われるようになっている。

  テンセント・ホールディングス(騰訊)やアリババ・グループ・ホールディングなど主なテクノロジー企業は、数年前から「バーチャル式」の紅包を提供。これを利用する人が増えている。昨年の春節連休中に、テンセントのメッセージング・決済プラットフォーム、微信(ウィーチャット)経由で贈られた紅包は460億件に上った。

里帰りも迅速化

  春節連休中の大移動は世界最大級だ。鉄道は春節における旅の代名詞だが、在来線であれば里帰りに数日を要することもあり、すし詰めの車内で疲れ果ててしまう。

  中国当局の高速鉄道整備に向けた取り組みでこうした光景も急速に変わりつつある。発展が遅れている西部にも鉄道網を広げる計画が進んでいる。昨年の春節の鉄道旅行では高速鉄道の利用が初めて最も多くなった。

All Aboard

390 million people in China are expected to travel by train this New Year holiday

Sources: China Rail Corp., People's Daily, Xinhua News Agency, U.S. Census Bureau

ホテルの稼働率は低調

  春節に多くの人々が移動するからといって、中国のホテルの宿泊客が増えるわけではない。通常は家族や友人と過ごすためだ。旅行調査会社STRのデータによると、春節がある月のホテル稼働率は2007年以降で平均51.5%。一方、春節連休がない月の稼働率は平均64.3%だ。

カジノは盛況

  中国が公式にギャンブルを認めているのはマカオだけだ。中国人の消費能力の高まりに伴い、春節期間中にマカオを訪れる人は増えている。MGMリゾーツ・インターナショナルは今月13日にマカオのコタイ地区に新たなリゾートを開業し、春節連休に間に合わせた。モルガン・スタンレーの調査によれば、春節期間中は全ての主要ホテルで満室となっている。

Casino Boom

Pre-New Year holiday rush fuels growth in Macau revenue

Source: Macau’s Gaming Inspection and Coordination Bureau

金価格も押し上げ

  春節はお年玉を贈るだけではない。金価格も上がる傾向にある。過去10年では春節がある1、2月の上昇率が目立つ。今年1月は3.3%上昇となり、10年間の1月平均をやや下回った。

Lunar Luster

The first two months of the year have historically been gold's strongest

Source: Bloomberg

花火で大気汚染に拍車

  中国では花火を打ち上げなければ春節とは言えない。花火を打ち上げるのは魔よけと運を呼び込むことが目的だ。今年は北京の花火小売販売が83%減と予想されるなど、最近は中国の一部で花火の使用が抑えられているが、伝統は残っている。

  子どもや花火好きには朗報だが、環境にとっては悪いニュースだ。バークレーアースによると、今年は2月16日となる旧暦の元日は通常、1年で最も大気汚染がひどくなる。中国の空に花火の煙や化学薬品が排出されるからだ。PM2.5(微小粒子状物質)濃度が前回の春節時に高くなったため、北京市当局は花火規制をさらに強化したのかもしれない。

原題:Technology Is Modernizing China’s Lunar New Year Holiday(抜粋)

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