【個別銘柄】リクルトHやキリンHD急伸、ヤクルトやすかいらく急落

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  • リクルトHが通期営業益増額、キリンHDは大規模な自社株買い
  • ヤクルトは需給悪化懸念、すかいらくは前期営業減益で格下げも

15日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  リクルートホールディングス(6098):前日比6.2%高の2535円。2017年4-12月期の営業利益は前年同期比0.8%減の1667億円、EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は同14%増の2157億円。18年3月期計画は営業利益を従来の1855億円から1915億円に、EBITDAは2510億円から2580億円に引き上げた。野村証券では第3四半期決算は良好で、EBITDAが同証予想を上回ったと指摘。改めて国内派遣事業の業績の強さが浮き彫りになったとみる。TOPIXの上昇寄与度首位。

  キリンホールディングス(2503):7%高の2721.5円。発行済み株式総数の5.5%、1000億円上限に自己株を取得すると発表。メリルリンチ日本証券では、市場では自社株買いが予想されていたが、その規模はサプライズだったと評価。事業の成長見通しの鈍化を踏まえれば、フリーキャッシュフローを株主還元に充てる判断は正しいとした。同時発表した17年12月期決算は、営業利益がその前の期に比べて6.8%増の1943億円だった。

  ヤクルト本社(2267):6.8%安の7400円。仏食品大手のダノンが保有する普通株を売り出す、総額最大約1950億円。同時に発行済み株式数の3.02%、360億円上限に自社株買いすることも発表した。野村証券では売却予定額に対して自社株取得の規模が大きくない、短期的に株式需給が悪化する可能性もあると指摘。モルガン・スタンレーMUFG証券では、これまでのヤクルトの株価バリュエーションプレミアムには順調な業績に対する評価以外に、ダノンによる株式追加取得への期待がある程度織り込まれていた、今回の発表でこの期待がはく落する可能性が高く株価はいったん大幅に調整すると予想した。

  昭和電工(4004):4.5%高の4920円。17年12月期の営業利益は前の期比85%増の778億円と従来想定の700億円を上回った。野村証券では前期は同証予想の743億円を大きく上回り、ポジティブと評価。今期計画は同証予想を下回るが、現時点で黒鉛電極の価格前提が未開示、無機事業の売上高計画と電極の生産能力から推定すれば保守的な印象とした。

  すかいらーく(3197):8.2%安の1425円。17年12月期の営業利益はその前の期に比べて10%減の281億円、今期計画は2.1%増の287億円。モルガン・スタンレーMUFG証券では、前期営業利益はコンセンサス比7%未達、今期ガイダンスは現時点で達成確度が乏しいと分析。優待券買取価格も低下傾向で個人投資家による下支えも限定的などとし、投資判断を「イコールウエート」から「アンダーウエート」へ下げた。新目標株価は1350円。

  アルバック(6728):10%高の6630円。ゴールドマン・サックス証券では、14日午前に開催された説明会で会社側が液晶(大型)投資とメモリ投資に関して高水準の投資が持続する見通しを示したと指摘。有機ELは顧客の投資意欲に若干の変化があるものの、具体的な計画延期やキャンセルはないとのコメントがあったとし、各事業問題なく堅調と評価。投資判断「買い」を継続した。

  日本郵政(6178):3.8%高の1303円。17年4ー12月期の純利益は郵便・物流や銀行の好調が寄与し前年同期比27%増の3752億円。SMBC日興証券では通期計画に対し94%の進捗(しんちょく)率となり、同証予想の80%を上回りポジティブと評価。日本郵便の利益が第3四半期に集中しやすい点を踏まえても進捗率は高く、通期計画の上振れが想定される、配当性向50%以上を掲げていることから増配の可能性にも注目。

  クボタ(6326):3.7%安の1972.5円。18年12月期の営業利益計画は前期比6.2%増の2130億円と市場予想2223億円を下回った。ゴールドマン・サックス証券では短期的には北米小型トラクター事業を中心に採算が一段と悪化する可能性が高く、会社計画は依然下振れる公算が大きいと予想。業績下振れリスクに対して現在の株価は割高とし、投資判断「売り」を継続。

  THK(6481):8.2%高の4305円。17年12月期(9カ月決算)の営業利益は293億円と従来計画の280億円を超過、18年12月期は450億円を見込む。SMBC日興証券では、今期の会社計画前提はさほど無理のない能力増強を計画していることに加え、販売価格の上昇もそれほど織り込んでいない印象でポジティブと指摘。固定費の増加はあるが、数量効果が大きいとみる。

  MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725):3.3%安の3342円。17年4-12月純利益は内外自然災害の影響で保険金支払いが膨らみ前年同期比53%減の976億円。みずほ証券では、MSアムリンの第3四半期累計当期純損失が885億円(会社計画は550億円の損失)に拡大したとし、新たに織り込まれた自然災害以上に一般種目におけるIBNR備金の積み増しやロスが想定を上回ったことが大きいと分析。海外事業のグループコア利益の通期見通し(630億円の赤字)に対して500億円規模の下振れを覚悟する必要があるとした。

  エーザイ(4523):4.2%安の5514円。アルツハイマー病治療薬の臨床試験に変更を加えると明らかにしたことが嫌気され米バイオジェンの株価が14日に急落。バイオジェンはエーザイと共同開発する「アデュカヌマブ」の試験に参加する患者を約500人追加すると発表。試験は最終段階にあり、今年後半に完全な結果が出る見通しだった。野村証券は、試験のデザインに問題があった可能性を示唆するとし、試験の成功性にとってややネガティブに作用する可能性がある、と指摘した。

  アウトソーシング(2427):6.6%安の1762円。17年12月期営業利益は前期比2倍の114億円、18年12月通期計画は22%増の138億円を見込む。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、17年12月期営業利益は同証予想の105億円を上回ったが、今期会社計画が同証予想(150億円)を下回りネガティブとした。為替や先行費用の想定が保守的に計画が組まれている可能性があるとみる。

  大成建設(1801):1.4%高の5180円。ドイツ証券では、第3四半期の粗利益率は建築が13.6%(通期会社計画12.7%)、土木は22.5%(同17.7%)、国内受注高は今期会社計画である1兆2200億円に向けて順調と指摘。業績予想に変更はないが、株価と同証目標株価5025円とのかい離がほぼ消滅したとして、投資判断は「売り」から「ホールド」へ変更。

  東洋ゴム工業(5105):7.3%安の1909円。18年12月期営業利益計画は前期比3.7%増の470億円と、市場予想の最低値491億円をも下回った。市場予想の平均値は544億円。会社側の想定為替レートはドル・円相場で1ドル=110円。

  福山通運(9075):16%高の4415円。運賃改定効果や国際事業拡大を理由に、18年3月期営業利益計画を112億円から132億円に引き上げた。ブルームバーグによるアナリスト3人の予想平均117億円を上回った。野村証券では、運送事業のトン当たり運賃の伸びが毎月加速していることに着目。値上げによる利益成長加速を高く評価して、目標株価を3600円から4100円に引き上げた。

  クラリオン(6796):2.1%安の331円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、投資判断を「オーバーウエート」から「中立」、目標株価を480円から320円に下げた。カーナビ・カーAVの事業環境が同証想定以上に悪化しており、業績回復に時間がかかる可能性があると指摘。これまで「ADAS(Advanced Driver Assistant System)の収益貢献顕在化」への期待としていたエクイティストーリーを「既存カーナビ・カーAV事業の業績回復待ち」に変更、業績予想を減額した。

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