Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

【コラム】相場混乱が金融市場を正常に近づける可能性-エラリアン

  • 2017年から今年1月までの市場安定回帰を求めるべきではない
  • むしろ秩序ある新たな市場パラダイムへのシフトを-長期的に健全
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

先週の突然の相場混乱を耐えた多くの市場参加者は今、早く落ちついた状況に戻ってほしいと願っている。その気持ちは理解できるが、つい最近まで続いていた異例に静かな市場状況に単純に戻るのは長い目でみて利益にかなうものではないかもしれない。むしろ、もう少しノーマルに近い新たな市場パラダイムを望むべきだろう。

  ボラティリティー指数(VIX)が1月末の14未満から5日後には37を超えたり、400日余りも高値から5%下げることのなかった米S&P500種株価指数が数日で10%下げて調整局面入りしたりするなどの混乱後、多くの投資家が2017年と今年1月の市場安定に戻りたいと願うのは驚きではない。だが、歴史を振り返れば、そうした状況こそが普通ではない、特異な状況だった。

  そのような状況に戻りたいと願うよりも、以下に挙げる5つの側面を含む秩序ある新たな市場パラダイムへのシフトを投資家は期待すべきだ。

  • ボラティリティーの水準が17年よりも高まって相対的に一定のレンジでの推移となる(VIXでは15-20)
  • 米10年債利回りがおおむね2.75-3.10%で推移
  • 米10年債の同年限のドイツ国債に対する上乗せ利回りが195-225ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)
  • リスク資産とリスクフリー資産の相関が従来の関係に戻る
  • 為替市場が双方向のショック緩衝材としての役割を増す

  市場参加者は流動性とボラティリティーに関して一段と理解を深めて、プライシングも向上されることとなり、もともと比較的流動性に欠ける資産クラスにも流動性が過剰に約束されるという市場の異常な現象に規律が持ち込まれるようになる。

  ここで挙げた条件は今月の相場混乱前の状況と比べ、投資家に安心感や利益を与えるものではないかもしれないが、長期的にみて、より健全な市場を支えるものだ。特にファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の改善が続き、バリュエーションにしっかりした土台を提供するならなおさらだ。

  (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:Turmoil Could Restore More Normal Markets: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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