トヨタ初の生え抜き女性役員、性別意識せずに課題発信-加古常務

トヨタ自動車で初の生え抜きの女性役員に昇格した加古慈常務(50)は15日、名古屋市内で報道各社の取材に応じ、女性であることを意識することなく、課題を発信していきたいと話した。

  2015年に同社で女性初のチーフエンジニア(車両開発の総責任者)となった同氏は「女性としてどうしたいかということは意識したことはない」と明かした。男性エンジニアが男性であることを特別意識しないのと同じように、ただ良い車づくりだけを考えていると説明した。自分自身が「自然に発想したことや課題だと思ったことが、今までにないことだなという風になれば、それが、私がここにいる価値になる。思ったことを発信していくということがミッション」と話した。

加古常務。2月15日、名古屋市内で。

Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

  同氏は奈良女子大家政学部を卒業後、1989年に女性総合職一期生としてトヨタに入社。材料技術部に配属後、欧州の研究開発拠点駐在などを経てレクサスへ異動し、チーフエンジニアとして高級コンパクト車「CT200h」のマイナーチェンジなどを手がけた。常務役員には今年1月1日付で昇格していた。

  少子高齢化で労働力不足が見込まれる中、安倍政権は20年までに女性の管理職比率を30%に高める目標を掲げている。トヨタでは14年、課長職以上の女性管理職数を当時の101人から20年に3倍、30年に5倍とする目標を策定し、現在では186人に増えた。加古氏は現在、53人いる執行役員で唯一の女性だ。

  国内自動車メーカーでは、16年4月にホンダが初の生え抜き女性役員として鈴木麻子氏を執行役員に起用。日産自動車では外部から採用された星野朝子氏が15年4月に専務に就任した。トヨタでは15年に米国人女性が初めて常務に昇格したが、その後不祥事で辞任していた。

  開発中の車のテストドライバーとしても助言する豊田章男社長からは「女性一人でいろいろ大変だろうと思うけれど、頑張って、期待している」という言葉をかけられたという。レクサスは「ラグジュアリーブランドとして発展途上」と加古氏は指摘。電動自動車などの電動化や自動運転などの課題に直面する中、「ラインナップも競合と比べて充実しているわけではない」とし、自動車の開発だけではなくどのような感動を消費者に提供できるかは「非常に大きな課題の一つ」と述べた。

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