Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

日本株は反発へ、米景気の過熱感後退

更新日時
  • 1月の米コアCPIは0.3%上昇、米小売売上高は予想外の0.3%減
  • 上昇率トップは保険、東京海上Hや第一生命Hの利益増額もプラス

15日の東京株式相場は4営業日ぶりに反発。米国のインフレ進行による拙速な利上げ、景気や株式市場に悪影響を及ぼすことへの過度な警戒が和らいだ。良好な業績内容も後押しした保険株のほか、半導体関連株、リクルートホールディングスなどサービス株の上げも目立った。

  TOPIXの終値は前日比16.55ポイント(1%)高の1719.27、日経平均株価は310円81銭(1.5%)高の2万1464円98銭。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、米国の「コアCPIの上昇は適度なインフレ状況を示しており、米経済の程よい回復との見地からきのうの米国株高は自然だ」と指摘。注目イベントを終え、米国株が立ち直りを見せる中、「日経平均のPER13倍割れはバーゲン価格」との見方を示した。

東証プレート

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  米労働省が14日に発表した1月消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.3%上昇した。エコノミスト予想の中央値は0.2%上昇。
米商務省による1月の小売売上高は、前月比0.3%減と市場予想の0.2%増より悪く、昨年2月以降で最大の落ち込みとなった。

  同日の米国株はS&P500種株価指数が1.3%高、ダウ工業株30種平均も250ドル以上上げるなど4日続伸。投資家心理の落ち着きを示すように、米国株オプションの指標であるシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は23%低下し、8営業日ぶりに20を下回った。10年債利回りは2.92%と9ベーシスポイント上昇。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、米国株高の背景について「短期的にボラティリティー上昇に落ち着きが見え始めたこと、金融正常化がゆっくり進められそうなこと、弱めの小売売上高で景気に過熱感がないことの3点のいいところ取りした」と分析。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、日本株市場でも米金利が上昇した中で米国株が高くなったことが注目され、「最近大量に売っていた商品投資顧問(CTA)などが買い戻している」と言う。

  為替市場ではドル安・円高圧力が続き、一時1ドル=106円31銭と前日の日本株終了時107円16銭から円が強含み、1年3カ月ぶり円高水準を更新したが、きょうの日本株終日強い動きで、日経平均は午後に424円(2%)高まで上げ幅を広げる場面があった。しんきんアセットの藤原氏は、「円高基調の継続には警戒すべきだが、米金利上昇など踏まえると、1ドル=105円を超える円高では定着しない見通し。この水準なら、来期も5%程度の増益が見込める」と話していた。

  東証1部33業種は保険、精密機器、サービス、非鉄金属、証券・商品先物取引、電機、機械など28業種が上昇。保険では、米税制改正の影響で今期純利益計画を上方修正した東京海上ホールディングスや第一生命ホールディングスが買われた。サービスは、営業利益計画を上方修正し、国内派遣事業の強さを野村証券が評価したリクルートホールディングスが急反発。下落は電気・ガス、繊維、陸運など5業種。

  売買代金上位では、米アプライド・マテリアルズの好決算が安心感を与え、東京エレクトロンやSCREENホールディングスなど半導体製造装置株が大幅高。自社株買いのキリンホールディングス、会社側の今期実質増益計画を無理なくポジティブとSMBC日興証券が指摘したTHKも上げた。半面、前期が10%営業減益のすかいらーく、仏食品大手ダノンが保有する普通株を売り出すヤクルト本社、共同開発先の米バイオジェン株急落の影響を受けたエーザイは安い。

  • 東証1部の売買高は15億7111万株、売買代金は2兆9683億円、代金は1月29日以来の3兆円割れ
  • 値上がり銘柄数は1393、値下がりは606
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