地価と交通の歴史、運転手不要の未来が変える-通勤もストレスと無縁

From
  • 自動運転車によって最も大きく変容する業界は不動産となる可能性
  • 将来的に地価が安い地域に物流基地を構築することができるだろう

人類の歴史で最も長い結び付きは恐らく不動産と交通の関係だ。古代以来、道路から運河、鉄道から高速道路に至るまで、交通事情より大きく土地の価格を動かしてきたものはほとんどない。

  そして今、運転手がいらない自動車の時代の幕が開けようとしている。ストレスを全く感じない通勤や駐車場を探し回る必要もないユートピアが到来するかもしれないが、そうなると不動産購入のための方程式は一段と複雑になる可能性が高い。

  オンライン大学のユダシティーで自動運転エンジニアリングを教えるデービッド・シルバー氏は「自動運転車によって最も大きく変わる業界は不動産かもしれない」と話す。だがそうなるまでにはまだ時間がかかりそうだ。無人で走行するバスやタクシー、配送車の初期的な例はすでにあるが、消費者の間に広く普及するまでにはまだ10年は必要だろう。

  ただ世界最大の不動産投資会社、米ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズのリック・クラーク会長ら駐車場が不要な世界というものについて考え始めている投資家もいる。ブルックフィールドが米国に展開する多くのショッピングモールで「最も大きな面積を必要とするのが駐車場」だと言う同会長は、「何年もの間、もっと有効な土地活用が可能なら駐車場のある場所に集合住宅を建てたいと考えてきた」と打ち明ける。

  米グーグルの持ち株会社アルファベットは自動運転車だけしかない世界を想定。同社の土地開発研究部門は、カナダのトロント東部沿岸地区でそうした街づくりをしようとしている。同部門の最高ポリシー責任者ロヒット・アガルワラ氏は「都市部のストリートの基本的設計と経験が変容し得る」と指摘。路上の安全性が大いに高まり、歩行者を守るためのバリアーも不要になるだろうとし、「歩行者が真の王様であるような、欧州の歴史ある都市の素晴らしい町並みを想像してほしい」と語る。

  英リーガル・アンド・ゼネラル・グループの事業スペース調査マネジャー、ビル・ページ氏によれば、輸送用のトラックが自動運転車に変われば、産業用地の価格に大きな影響を与え可能性がある。「将来的に地価が極めて安い地域に物流基地を構築することができるだろう。トラック運転手が不要になれば、米国ではトラックの停留所やモーテル、ガソリンスタンドといったネットワーク全体の価値が下落するかもしれない」と同氏は話している。

  詳細についてのポッドキャスト:
https://cms.megaphone.fm/channel/BLM3923153289?selected=BLM2696398548

原題:How a Driverless Future Threatens the Iron Laws of Real Estate(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE