東芝:財務再建にめど、銀行出身の車谷CEOは世界舞台復帰に意欲

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  • 東芝メモリ売却で今期営業益消える-自己資本は4600億円のプラスに
  • 「グロ―バル復帰へ、一体感高める」と三井住友出身の車谷次期会長

Toshiba Corp. signage displayed atop the company's headquarters is seen through a train window in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

経営再建中の東芝は財務回復にめどをつけ、4月から銀行出身と生え抜きの2トップ体制で事業再建に取り組むことになった。稼ぎ頭のメモリー事業の売却により、自己資本は一時的に押し上げられるが、一方でその穴を埋めるための総合的な収益基盤の立て直しが急務となる。

  同社は14日、今期(2018年3月期)の営業損益予想を4300億円の黒字から収支ゼロに減額する一方、純損益が5200億円の黒字(従来予想は1100億円の赤字)に大幅改善すると発表した。黒字転換は4年ぶり。メモリー事業の売却で収益が悪化する半面、その売却で得る資金や米原発事業からの撤退などが自己資本を押し上げる。

4月からCEOに就任する車谷暢昭氏

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  東芝メモリの非継続事業への組み替えで、通期の営業損益などで4400億円、売上高で1兆900億円のマイナスの影響があるという。一方、米原発関連の債権譲渡に伴う税負担の軽減などから18年3月末の自己資本は従来見込みの7500億円のマイナスから4600億円のプラスに転じ上場を維持できる見込み。

  東芝は同日、元三井住友銀行副頭取の車谷暢昭氏が4月1日付で代表執行役会長兼最高経営責任者(CEO)となるトップ人事も発表した。車谷氏は会見で「早期の資本回復とグローバル競争への復帰、ポートフォリオの見直し、東芝本来の部門を強化しワン東芝としての一体感を高める」の3点を課題にあげた。

「銀行の支援」

  
  綱川智代表執行役社長(62)は続投し、新たに最高執行責任者(COO)に就く。東芝は綱川社長の下、米原発事業の失敗で傾いた経営を立て直すため、同事業から撤退したほか、好業績が続く東芝メモリの一部株式売却を決め、17年11月には海外投資家を割当先に第三者割当増資も実施した。売却後も東芝メモリの議決権約4割を持つ計画。

  17年4-12月の9カ月間累計の営業利益は496億円だった。過去最高益を記録した4-9月期の2318億円から利益が一気に減少した。東芝メモリの売却を前提に算出したもので、今の稼ぎ頭がなくなると収益基盤が脆弱になる姿が浮き彫りとなった。三井住友銀は東芝の主力行。

  朝日ライフアセットマネジメントの中谷吉宏シニアファンドマネジャーは、車谷氏の会長兼CEO就任が東芝の銀行管理強化につながり、「銀行からの支援がより期待しやすくなる」と指摘。ただ、銀行出身の経営者は投資には慎重とみて「株式投資家にとっては夢が描きにくくなり、ネガティブ」との見方を示した。

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