Photographer: Susana Gonzalez/Bloomberg

郵船:中国の完成車輸送子会社で不正-通期純利益20億円押し下げ

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  • 中国子会社「NYKカーキャリア」の現地採用の元幹部らの不正か
  • 郵船は四半期報告書の期限延長が承認されたため3月23日までに提出

国内最大の海運会社、日本郵船は13日夜、中国の連結子会社で不正支出事案が判明し、2018年3月期連結純利益予想を20億円程度押し下げる見込みだと発表した。

  郵船の発表資料によると、不正があったのは完成車輸送事業を手掛ける中国子会社「NYKカーキャリア」(上海市)。現地採用の元幹部らによる業務上横領などの疑いが生じており、同社は5日付で内藤忠顕社長を委員長とする調査委員会を設置、調査は現在も進行中としている。

  同社は17年4-12月期業績を1月31日に発表。世界的な荷動きの増加に伴う海運事業の運賃上昇で業績は好調に推移し同期の純利益は168億円で、通期純利益は110億円を見込むとしていた。今回の問題を受けて過年度と今期業績への影響については、内容が確定次第 、速やかに開示するとしている。

  また関東財務局への四半期報告書の提出期限は本来14日だったが、郵船は同日、延長申請を行い午後に承認されたと発表。発表資料によると、対象は18年3月期第3四半期報告書で、延長が承認され提出期限は3月23日となった。

  同社広報担当者の木幡龍太氏はブルームバーグの取材に対し、昨年11月に中国の税務当局からの問い合わせがきっかけで不正事案が発覚。調査の報告書が郵船経営幹部に届いたのは今年1月末と明かした。調査では、中国人の元幹部ら約10人が関与し、完成車輸送のトレーラーの費用などの水増しや架空請求などの不正会計行為で収益を着服していたことが明らかになったという。

事実関係を調査中

  その上で、木幡氏は、さらに当時この子会社には日本人社員はおらず、また郵船社員の関与もないと述べ、「現在も事実関係の究明のため慎重に調査を進めている。金融庁や証券取引所への対応は今後決まり次第発表する」と語った。

  バリューサーチ投資顧問の松野実社長は、「2兆円を超える売上高の郵船で最終利益20億円程度の修正では株価へのインパクトは軽微」と指摘する。その上で、「ただ最終的な被害額が見積もり通りに収まるのかは依然未知数だ。また中国という巨大な市場で、ガバナンスをきちんと実施できていないことが課題として残る」とコメントした。

  同社の株価は一時前日比2.6%安の2286円まで下落し、同2.1%安の2299円で取引を終えた。

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