ツーシグマのシーゲル共同会長:世界株は調整中、経済良好で心配無用

  • 世界株は実体経済の裏付けある、仮想通貨は「バブル」-投資はせず
  • 水野剛伸氏が日本代表の取締役に、2月に5カ所目拠点を東京に開設

クオンツ運用ヘッジファンドの先駆者ツーシグマ・インベストメンツのデービッド・シーゲル共同会長は9日のインタビューで、最近の世界株は調整局面に入ったが世界経済は良いとの見方を示した。

  シーゲル氏は現在の世界株について「金融緩和は永遠に続くことはなく、調整の時期にあると思う」として、今後の展開は難しいが世界の経済環境は良く心配の必要はないとした。「コンピューターが関与する前も市場は時々クラッシュしており、今回のようなボラティリティーは新しいことではない」とも指摘。ボラティリティーは技術革新が引き起こす可能性があり、完全に排除した市場を作るのは難しいとした。

  2月に入り、米雇用改善や利上げ加速観測で米10年国債は年初の2.4%台から12日には2.8%台まで上昇、世界同時株安の引き金を引いた。米国株ボラティリティー指標のVIXは跳ね上がり、S&P500指数は年初来の上昇分を相殺した。それでも世界株は実体経済の裏付けがあるとしてシーゲル氏は悲観視していない。

  一方で仮想通貨については「現在はバブル」との見方を示す。「まだ完璧ではないと思うので、価値はあまり高くない」と述べ、投資はしていないという。ブロックチェーンについては非常に興味深いテクノロジーの応用で、今後はいろいろなところに適用されていくと予想している。

東京拠点

  ツーシグマは2月中に5カ所目、米国外ではロンドンと香港に続く拠点を東京に開設する。野村証券や日興アセットマネジメントで要職を務めた水野剛伸氏が日本代表の取締役に就き、3人体制でスタート。現在は新規資金を受け入れておらず、既存投資家へのサービス拡充が目的で年内に投資家対応としてさらに1人採用する予定だ。

  創業以来、株式、先物、為替など「日本の市場にも積極的に投資しており、現地オフィスがあるのはメリット」とシーゲル氏は話した。

  シーゲル氏は「カイゼンとブレークスルー」が同社の哲学という。「投資の世界では誰も完璧ではないので、失敗から学び、継続的にカイゼンしていかなければならない」と指摘。どんな業界でも科学技術を使い、研究開発により革新を続ける企業は成功しており、「トヨタがいろいろなものを駆使して、より良い車を作ろうとしているのと大して変わらない」と語った。

  ツーシグマは2001年にデビッド・シーゲル氏、ジョン・オーバーデック氏、マーク・ピッカード氏が設立。世界で1300人の従業員を擁し、運用資産残高は520億ドル(約5兆6600億円)。社員の3分の2は研究開発者で従来型の金融人材は雇っていない。シーゲル氏は資産拡大について「研究開発の結果、ほぼ毎年、資金流入がなかったときでも投資リターンで有機的に成長してきた」と振り返る。

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