ヘッジファンドが過去最大の米国債ショート-CPIが成否決めるか

  • 投機家はCPIの発表に先立ち米10年債先物のショート拡大
  • 10年債利回りが3%に向かうシグナルか市場は注視

ヘッジファンドやその他の大口投機家は、米債券市場の急落が数日後に再開するとこれまで以上に確信している。

  米商品先物取引委員会(CFTC)の2月6日までのデータによれば、相場のモメンタム(勢い)に基づいて取引することで知られるこうした投資家層は米10年債先物のショート(売り持ち)ポジションを過去最大の93万9351枚に増やした。これはダウ工業株30種平均が前例のない大幅安を演じ、米10年債利回りが約14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した2月5日の荒っぽい値動きでも、金利上昇を見込む賭けに歯止めを掛けるには不十分だったことを意味する。次に度胸が試されるのは最新の消費者物価統計が発表される14日だ。

  投機家のポジション動向が重要なのは、相場の勢いを極端に高める可能性があるためだ。また、投機家は価格が不利になった時に市場参加者の中で真っ先に方針転換するため、逆張り指標にできる。一方、資産運用会社など長期保有の投資家は投資方針を堅持しているもようで、10年債先物の買い越しは2015年10月以来の高水準。

  今年の米国債相場の急落に際してトレーダーが直面している問題は、今回は何かが全く異なっており、利回りがさらに上昇するのかどうかだ。結局のところ、資産運用会社はここ数カ月、ロング(買い持ち)ポジションを増やしており、10年債利回りは数年ぶりの高水準が続いている。

  トレーダーやストラテジストは最近の金利上昇について、10年債利回りが3%に向かうシグナルかどうかを注目している。3%は切りの良い数字であるだけでなく、強気相場で利回りが過去最低に向かう前の13年後半と14年前半のピークに近い水準であることも注目される理由だ。

  モメンタムトレーダーの動きが米国債下落の理由だと指摘することは簡単だが、利回り上昇の理由は他にも多い。米金融当局は利上げ軌道からそれる兆しをほとんど見せず、バランスシート縮小を継続。米財務省は赤字拡大に対応して国債を増発する。賃金の伸びがついに加速の兆候を示し始めており、インフレ高進の可能性もある。

  米10年債利回りは12日、4年ぶり高水準の2.893%を付けた後、2.86%に低下した。14日には1月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、債券市場反転の引き金になる可能性もあり、投機家の賭けが逆風に直面することもあり得る。

原題:Hedge Funds’ Biggest Short in Bonds Faces Make-or-Break Moment(抜粋)

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