ダイフク社長:3倍の株高、好業績は「実力以上」と冷静-一問一答

  • 中計初年度で営業利益率8%目標達成、再来年度以降に引き上げ検討
  • 中国の半導体メーカーからの需要旺盛、国策が追い風に

自動搬送機器の世界最大手、ダイフクの北條正樹社長(69)は9日のインタビューで、2017年10-12月期の売上高、営業利益、純利益がいずれも過去最高を更新し、1年で時価総額が3倍程度まで拡大していることなどについて、「実力以上」との自己評価を示した。

  ダイフクは北條氏が4月1日付で相談役に就任し、下代博常務(59)が社長に昇格するトップ人事も発表した。北條氏は社長交代の理由や自らが主導してきたビジネスの環境変化などについて語った。同社は工場や倉庫、空港などでの搬送機器や仕分けシステムなど「マテリアルハンドリング」を手掛ける。一問一答は以下の通り。

北條社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

-このタイミングで社長交代を決めた理由は
  「シンプルです。10年社長をやってきたので、次の世代に経営をバトンタッチするタイミングだった。時期的にも非常に業績が好調で、特に今年は中期経営計画をはるかに超えていった。さまざまなマーケット環境やお客様の多様性、変化が非常に幸いしている。われわれの実力以上の業績かなと思っている」

-1月19日には時価総額も1年前の3倍以上となる1兆円を超えた。好業績をけん引するのは
  「やはり大きかったのは半導体・液晶のマーケット。期初計画の受注や生産額をはるかに超えている。一方、業界全体で部品が非常にひっ迫しており、エンドユーザーの納期になかなか応えられないのが大きなジレンマ。手放しで喜んでいいような状況でもない」

-17-20年度の4カ年中期経営計画では営業利益率8%の目標を掲げているが、足元で既に9.6%と目標を上回った。計画の上方修正を検討していくのか
  「これも半導体・液晶がけん引した。今のところ、価格が極端に落ちるとはみていないが、アップダウンの大きい業界なのでDRAMの価格など注視する必要がある。計画は4年間なので来年度の決算が終わったときに、修正規模やどの程度まで利益率を引き上げるか慎重に見極めたい」

-市場別では中国の半導体メーカーからの需要が旺盛だ
  「はい。中国は国策として中国で消費する半導体は中国で作るという大きな方針を出したので、今後続々と新しい会社や既存の会社からも積極的に投資するとみている」

-電子商取引(eコマース)分野の需要はどう見ているか
  「米国はアマゾンの影響が大きく、ウォルマートを含め対抗軸はなかなかもうからない。日本は例えば家具のニトリのような店舗もeコマースもやるという製造小売業が非常に積極的に大型投資をしている。自分たちの経営効率や、配送センターに人が集まらないなど現実的な問題解決のために物流センターを着々と建てている。インドはインフラや渋滞の状況を見るとまだ時間がかかると思うが、将来のマーケットとしての潜在性に期待している」

-今入っていない業界で入っていくべき業界は
  「医療やバイオテクノロジー、農業の辺りを次のマーケットとみている。例えば、バイオではわれわれの持っている半導体で使う非接触給電の電源装置をバイオ設備の中で応用できないか、など既存技術も活用してさまざまな挑戦をしていく」

-下代常務に後進を譲るが、会社の持続的な発展には何が必要か
  「当社のマテリアルハンドリングビジネスのマーケット領域は自動車から自動倉庫系、半導体・液晶にシフトしていった。新しいプロダクトをお客様の要求で作っていくことで信頼を得てきた。それを続けることが企業の成長にはベストだと思うが、今後はわれわれからの提案も必要だ。先端技術も取り込んでお客様にとって付加価値の高いシステムを提供していかないと本当のチャンピオンにはなれない」

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