高まる債券ボラティリティー、読めないパウエルFRB新体制の出方

債券トレーダーがボラティリティーの高まりを渇望した日々は終わりかもしれない。今では相場下落がどこまでひどくなるかやきもきしている。

  8日には米株価が約2カ月ぶりの低水準を付ける中、指標の10年債利回りは2014年以来の高水準近辺で推移。CBOEボラティリティー指数(VIX)が最近のピークを下回る一方、CBOE/CBOT10年債ボラティリティー指数は上昇している。単日として2年ぶりの急上昇の後、引け値ベースで昨年4月以来の高水準となっている。

  債券投資家にとって、ボラティリティーを高めている主要な懸念材料の1つは、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長の出方が分からない点だ。投資家は先の金融危機から何年にもわたり、パウエル氏の前任者であるイエレン前議長やバーナンキ元議長がいわゆる「プット」を用いて金融市場の相場下落に歯止めをかけてくれると頼りにできた。具体的には、異例の動揺の兆候があれば、当局が刺激策を強化するか、ここ数年の場合なら引き締めを一時中断してくれるとの期待だ。

  利回り上昇や株価急落に動じない金融当局者の今週の発言から判断すると、パウエル新議長率いる当局はそうした「プット」提供の用意を急いで示すことはないようだ。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は8日、このところの株安は「大したことではない」とし、経済的影響に否定的な見方を示した。

  ヤルデニ・リサーチのエドワード・ヤルデニ社長は「市場は一種のパニック発作を起こしている。パウエル氏からは何の発言もない。同氏から落ち着かせるようなコメントがあれば助けになるだろう」と指摘した上で、「『グリーンスパン・プット』や『バーナンキ・プット』と同じような形で『パウエル・プット』のカードをすぐには切りたくはないのだろう」と語った。

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は「現在のような状況下では、市場は金融当局に安心感を与えてほしいと期待する」と説明。その一方で当局者は「バブルを多少へこませる反面、どこまで進行するのか幾分不安もあるとして、恐らく事の成り行きに入り交じった感情を抱いているのではないか」と話した。

原題:High Yields Beget High Volatility With No ‘Powell Put’ in Bonds(抜粋)

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