米国の戦略石油備蓄、ほぼ半減の可能性-予算合意案

  • 予算合意案には戦略石油備蓄1億バレルの売却盛り込む
  • 戦略石油備蓄はこれまでも繰り返し財源捻出のために放出されてきた

米国は、財源捻出のため戦略石油備蓄(SPR)の半分を売却する見通しだ。SPRの売却を巡っては、数十年前の創設時の供給逼迫(ひっぱく)に対するヘッジ手段という理由に反しているとの批判が出ている。

  予算合意案では、SPRを2027年までに1億バレル売却することが盛り込まれている。昨年承認された売却分を合わせると、SPRは45%減少し約3億300万バレルとなる可能性がある。

  ワシントンの調査会社クリアビュー・エナジー・パートナーズのマネジングディレクター、ケビン・ブック氏は、「これは緊急時以外としては米史上最大の売却だ」と指摘。「セーフティーネットの清算に他ならない」と述べた。

  現在の原油価格1バレル当たり60ドルで1億バレルを売却すれば、60億ドルを捻出できる可能性がある。ただ、原油価格は大幅に変動し、予算合意案では、現時点から2027会計年度(26年10月-27年9月)までの間に売却する方針であるため、売却によってどの程度の資金を捻出可能か正確に決定するのは不可能だ。

  SPRは米メキシコ湾岸の地下貯蔵タンクなどで保管され、貯蔵能力は7億バレルと、緊急用原油備蓄としては世界最大。戦略石油備蓄は、アラブ諸国による石油禁輸措置に伴って米国で原油価格が高騰しガソリンが配給制となった1970年代に始まったが、近年は議会が道路建設や赤字削減の資金源として頼るケースが増えている。

原題:U.S. Oil Reserve Would Fall Nearly in Half Under Budget Deal (1)(抜粋)

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