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日産自株急落、今期営業利益予想を再度下方修正-北米在庫重荷に

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  • 一時5.2%安の1103.5円、昨年10月2日以来の日中下落率に
  • 10-12月の営業利益は「ネガティブサプライズ」-ゴールドマン

日産自動車の株価は9日、一時5.2%安の1103.5円と昨年10月2日以来の日中下落率となった。米国での在庫調整や無資格の従業員が完成検査に携わっていた問題を受け、前日に今期(2018年3月期)営業利益予想を下方修正していた。

  ゴールドマン・サックス証券の湯澤康太アナリストらは8日付のリポートで、10-12月営業利益824億円は同証予想1410億円を大きく下回っており、「ネガティブサプライズ」と指摘。在庫調整については、モデルイヤーの変更に合わせて10-12月期のインセンティブ(販売奨励金)を削減したが、結果的には販売の勢いが弱まり、過剰在庫に陥った可能性が高いとみる。

  日産自は8日、通期営業利益予想を従来比800億円減の5650億円に引き下げた。販売会社の在庫調整で400億円の減益要因となるほか、完成検査問題関連の追加費用が300億円、原材料価格の上昇も200億円分の利益を押し下げる見込み。営業利益の下方修正は11月に続いて今期2度目。日産自株は前日比3%安の1127.5円で取引を終え、終値ベースでも昨年12月29日以来の安値となった。

  日産自の田川丈二常務は決算会見で、在庫調整の約半分は北米地域で発生したとし、同地域の需要を高めに見積もっていたなかで「17年モデルイヤーの在庫が過剰に膨らんだ」と説明した。第3四半期累計(4-12月)の北米の営業利益は前年同期比41%減の996億円と大きく落ち込んだ。

  SMBC日興証券の木下壽英アナリストはリポートで、「米国事業の収益環境の改善に対する楽観視は避けたい」と指摘。乗用車の在庫が特に増えていることや、需要動向や競争環境により当初計画よりはインセンティブが高止まりしていることを踏まえると、市場の前年比減が見込まれる環境下で収益体質が本格的に改善するには時間を要する可能性もあるとみる。

  9月に発覚した無資格検査問題による販売への影響も長引き、10-12月期の国内営業利益は前年同期比で67%減となった。田川常務は、同問題で生産ペースを落としたために輸出向け車両にも悪影響が出たほか従業員の教育費等など追加のコストもかかったとし、第2四半期の下方修正に続いて「再度下方修正しなければならなかったことを重く受け止めている」と話した。

  日産自は一株当たりの年間配当53円は維持した。メリルリンチ日本証券の二本柳慶アナリストは4.6%の高配当利回りが株価の下支え要因となるとしたものの、日産自との電話会議で会社側は足元の自動車事業ネットキャッシュに余剰感はないとしており、株式市場に存在する潜在的な自社株買い期待を後退させたと指摘した。

  トヨタ自動車は為替影響や原価改善の努力で18年3月期営業利益予想を従来比10%増の2兆2000億円に、ホンダは売り上げ変動や構成差に伴う利益の増加を受けて従来比4%増の7750億円に引き上げていた。両者の決算翌日の株価はそれぞれ1.2%高、2.1%高となっていた。

  日産自は通期の純利益予想についてはトヨタとホンダ同様に米国の法人税率引き下げの恩恵を受けるとして、従来の5350億円から7050億円に引き上げていた。

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