昔の保険契約高く売れます、鉄鋼CDSなど利益確定の動き-中国復調

社債の元利払いを保証するクレジットデフォルトスワップ(CDS)で、商品市況に左右される鉄鋼や海運業界の銘柄に利益確定の好機が到来している。資源高や中国景気回復でこれら業界の信用力が向上しており、資源安当時に契約したCDS契約が高く売れるからだ。

  原油価格急落や中国景気不安を背景に、鉄鋼と海運両業界のCDS保証料は2016年初頭、信用力の悪化から上昇した。しかし、その後は商品市況の改善とともに社債償還リスクが後退して保証料は急低下、現在も低位安定している。市況悪化時にCDSという保険売り契約をした投資家は、リスクの低下した現在でも多くの保証料収入を得られるため、この契約を現在の実勢よりも高く第三者に転売できる。

  JPモルガン証券の内野浩・日本クレジット調査部エグゼクティブディレクターは、昨年から「鉄鋼や海運関連の銘柄を中心に益出しの動きがある」と指摘。機関投資家が年度末を控えて、「同様の動きは出てくる」と予想した。会社の方針として匿名を条件に話したCDSトレーダーも、1月以降はクレジットリンク債(CDSが組み込まれた債券)の益出しを目的とした手じまいが多いと語った。

  みずほ証券の香月康伸シニアプライマリーアナリストは、米長期金利上昇を契機に世界的に株価が急落しているが、企業CDS保証料の低位安定に大きな変化はなく、「日本企業の信用リスクヘッジに直結する動きはみられない」としている。

  日本格付研究所は8日、商船三井と川崎汽船の格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更。商船三井の5年物CDSは、16年前半には300bpを超えていたが、現在は90.5bpで推移している。鉄鋼業界も市況回復や東京五輪の恩恵を受けており、16年2月に170bpに達したJFEホールディングスの5年物CDSも直近では40bp付近で落ち着いている。

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