Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

日本株は大幅反落しことし安値、米国の金利高・株安警戒-全業種売り

更新日時
  • 米10年債利回り、8日の取引で一時2.88%と4年ぶり高水準
  • 米ダウ平均とS&P500指数、高値から10%超安で「調整局面」入り
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

9日の東京株式相場は大幅反落し、ことしの安値を更新。米国の金利上昇と株安の動揺が収まらず、リスク回避の売り圧力が強まった。電機など輸出株、鉱業など資源株、銀行など金融株中心に幅広く売られ、東証1部33業種は全て安い。個別では、決算失望の日産自動車が下げた。

  TOPIXの終値は前日比33.72ポイント(1.9%)安の1731.97、日経平均株価は508円24銭(2.3%)安の2万1382円62銭。両指数とも暴落した6日の安値を下抜け、TOPIXは昨年10月20日、日経平均は同18日以来の水準。

  セゾン投信運用部の瀬下哲雄運用部長は、「景気堅調による『良い金利上昇』から財政赤字による『悪い金利上昇』へと市場の受け止め方が変質した。米金利が2.8%程度から下がらない限り、株安は続くだろう」と予測。低金利が維持される期待感で上がった相場だけに、「5年前ほど前の元の世界に戻るには痛みが伴う」と話した。

株価ボード前のウオッチャー(イメージ)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  8日の米10年債利回りは一時4年ぶり高水準となる2.88%を付けた。金利上昇が経済成長の重しになるとの懸念が強まり、米国株はダウ工業株30種平均が終値で1000ドル以上下げ、昨年11月29日以来の2万4000ドル割れ。ダウ平均とS&P500種株価指数は高値から10%以上下落し、いいわゆる調整局面入りした。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)は21%上昇し、33.5となった。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「今の米国経済は2.8ー3%水準への金利上昇が許容できない状況ではない。ただ、財政収支の悪化や減税効果などの複数要因が重なって米金利が不穏な動きをしており、金利上昇が止まらなくなるところまで市場の懸念が先行しているのかもしれない」と言う。米国株が調整局面入りとなり、「上昇相場がいったん終わりを告げたことになる」と指摘した。

  グローバル投資家のポジション縮小の影響が及び、週末の日本株は朝方から内外需業種に幅広く売りが先行。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「今回の下げは日本の要因ではなく、米国株安による投資家のリスク資産圧縮の影響で、まずは米国株の下げ止まりを確認しなければならない。それには米長期金利が低下することが必要」とみる。同氏によると、今の米国株は金融相場から業績相場に移る途中の逆金融相場に位置し、「逆金融相場ではPERが通常の状態に戻る。S&P500種のPERは今回23倍まで上がったが、過去10年の平均は17倍」だった。

  きょうのTOPIXは午前に一時3.3%安の1708.10、日経平均は771円(3.5%)安の2万1119円まで売り込まれたが、日中ベースでは6日安値(1707.07、2万1078円)手前で踏みとどまり、午後はやや下げ渋った。米S&P500種Eミニ先物は、日本時間9日午後はプラス圏で推移した。大和証の石黒氏は、「リーマン・ショック時のような信用不安は起きておらず、米連銀総裁も現時点で引き締めを急ぐコメントはしていない」と指摘。投資家がポジション整理を急ぐあまり、その影響が大きくなり過ぎていると受け止める。

  東証1部33業種は全て安く、下落率上位は鉱業、石油・石炭製品、パルプ・紙、機械、保険、ガラス・土石製品、非鉄金属、海運など。売買代金上位では、今期営業利益計画を下方修正した日産自動車、17年10ー12月期利益が予想以下と複数のアナリストが指摘したディー・エヌ・エーが安い。半面、1ー3月期の営業利益計画が想定以上と評価されたネクソン、決算説明会は好印象とゴールドマン・サックス証券が評価した資生堂は高い。

  きょうの取引開始時は株価指数オプション2月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグの試算で日経平均型は2万1190円11銭と前日終値を700円75銭下回った。

  • 東証1部の売買高は21億3748万株、売買代金は4兆18億円、SQ要因もあり代金は2日ぶりに4兆円乗せ
  • 値上がり銘柄数は244、値下がりは1796
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