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Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
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米国債利回り急伸、日欧の投資家は「トリプルパンチ」で誘いに乗れず

  • キャピタルでやられ、ヘッジコスト上昇-さらなるドル安も
  • 大幅借り入れ増を計画する米財務省に難題突き付け
A monitor displays General Motors Co. signage on the floor of the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., on Tuesday, Feb. 6, 2018. U.S. equity indexes climbed higher after a rocky start, and the benchmark gauge for U.S. share volatility reversed course after hitting a two-year high.
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米国債利回りは4年ぶりの水準に上昇し、日本や欧州の国債市場が提供する利回り水準の数倍にも跳ね上がった。だからといって、米国債入札に国外の投資資金が押し寄せるわけではなさそうだ。

  問題は米国外の投資家が為替市場の変動からポジションを守るためのコストが急騰していることだ。貿易面での対立激化や金融政策のシフトが世界的に通貨の変動性を高める潜在性がある限り、こうした保険を備えておく理由は十分以上にある。

  ヘッジコストを考慮した場合、ユーロ圏の投資家が米国の10年債で手にするイールドは7日現在で約0.46%となり、米国内投資家の2.84%に見劣りする。日本の投資家の場合もわずか0.66%だ。

  ほぼ10年ぶりの大幅な借り入れ増を計画する米財務省にとって、この状況は難題を突き付ける。先日の株式市場を揺るがした利回り上昇は、本来ならば需要増加という期待につながるはずだった。ところが7日に実施された10年債入札は、昨年9月以来の弱い応札となった。

  以下は金利先物に基づくドル・ヘッジのコスト見通し。

日本の投資家ユーロ圏の投資家
2/7/20182.18%2.38%
12/31/20182.7%3.0%
6/30/20192.8%3.0%
12/31/20193.0%2.9%

 
  米国債利回りとの差が開いてもなお、日欧の投資家を引き込めないというのがストラテジストらの見方だ。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「日本での米債への需要は一定レベルは必ずある」ものの、現在は「日本人から見た米債投資は最悪に近い環境」だと指摘する。「円高に進んでも米債の金利が下がっていればまだ良いが、今はキャピタルでやられ、ヘッジコストまで取られて、円高になってきている。トリプルパンチではないか。だから今は買いにくい」と語った。

  日本の財務省が公表した国際収支統計によれば、2017年の米国債投資は4年ぶりの売り越しとなり、売越額は3兆8318億円となった。

  アクサ・インベストメント・マネジャーズのシニアストラテジスト、クリス・イゴー氏は、「米金融政策当局の追加利上げを伴わずに米国債利回り曲線が大きくスティープ化しない限り、欧州の投資家にとってヘッジベースで米国債を買う妙味はない」と1月のリポートで指摘。「米国の金融引き締めがさらに深まればヘッジコストが一段と上昇、欧州の投資家を米国債市場からますます遠ざけることになろう」と説明した。

高くつくヘッジ

日本とユーロ圏の投資家が抱えるドル・ヘッジコストはさらに上昇しそうな状況

出所:ブルームバーグ

原題:Jump in U.S. Yields May Not Lure Foreign Cash, and Here’s Why(抜粋)

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