総合商社5社が軒並み最高益、資源高に依存せず-第3四半期決算

  • 非資源分野の利益を伸ばしたことで「業績拡大をけん引」
  • 来期業績についても非資源の収益力強化で自信付ける-アナリスト

総合商社5社の2017年度第3四半期(4-12月)連結決算が8日、出そろった。同期の純利益としては全5社が最高益を更新した。石炭や鉄鉱石などの資源価格の上昇に加えて、海外での自動車販売事業や発電事業といった非資源分野の増益が大きく寄与した。

  三菱商事の増一行最高財務責任者(CFO)は、市況変動に利益が左右されにくい事業の収益基盤が着実に強化されているとして「業績拡大をけん引している」と評価。丸紅の矢部延弘CFOも「非資源の収益力がきっちりと根付いたことが最高益更新の背景」と説明した。

非資源の利益伸ばす

17年4-12月期の前年同期と比べた純利益の増益幅

注:三菱商の資源は市況系、非資源は事業系の利益、三井物の資源は金属資源・エネルギー分野、非資源はそれ以外、住友商の非資源には鋼管事業を含める

出所:各社資料からブルームバーグ作成

  三菱商は513億円を稼いだアジアなどでの自動車関連事業やサケ・マス養殖事業も高い利益水準を維持した。不動産や国内の発電事業、鉄鋼製品や化学品のトレードなども好調だった。第3四半期として初の4000億円台の純利益を達成した。丸紅は航空機リースや米国での自動車販売金融などが好調だった輸送機関連のほか、紙パルプ事業の損益も改善した。

  伊藤忠商事は2期連続の最高益更新。鉢村剛CFOは「景気変動によるリスクをできるだけ抑えるためには、しっかりしている小さな会社をたくさん持っていることが大事」と指摘。連結対象会社のうち黒字会社の比率は86%と過去最高となり、中小規模の事業会社からの利益の積み上げが寄与した。食料事業のほか欧州でのタイヤ販売事業や海外パルプ関連事業などが堅調だった。

  住友商事も北米での鋼管事業の損益が改善したほか、リース事業や建機の販売・レンタル事業などの利益が伸びた。

  一方、三井物産はブラジルのヴァーレへの出資形態の変更に伴う評価益約890億円が発生し、穀物集荷事業では引当金など423億円の損失を計上。資源・エネルギー部門の純利益が大きく伸び、それ以外の増益幅は小幅にとどまった。ただ、こうした評価性損益の影響を除いた資源分野の増益幅は650億円、非資源では200億円となる。松原圭吾CFOは「資源エネルギー分野の力強さを改めて示すとともに、鉄鋼製品や機械、インフラを中心に非資源分野も順調な伸びを見せた」と述べた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の永野雅幸シニアアナリストは「全体的に市場想定よりも良い決算だった」と評価。石炭や鉄鉱石などの商品市況が高値で推移するなど資源分野の利益改善も寄与しているが、今後も高値圏で推移するかは不透明。そうした中、非資源分野の収益強化が進んだことで「来期の業績についても、各社ともある程度の自信を付けてきている」との見方を示した。

  18年3月期の通期業績については、三菱商と住友商がそれぞれ2度目となる上方修正をしたほか、三井物と丸紅も上方修正した。丸紅を除く4社が過去最高益を更新する見通しだ。

【総合商社5社の業績一覧】

会社名4-12月純利益通期純利益計画進ちょく率
三菱商  4,162(12) 5,400(23)  77%
三井物  3,768(64) 4,400(44)  86%
伊藤忠  3,571(19) 4,000(14)  89%
住友商  2,529(127) 3,000(76)  84%
丸紅  1,648(53) 2,000(29)  82%

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比%、全社国際会計基準)
 

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