ホワイトハウスと米金融当局の蜜月終わりか-利上げペース加速観測で

  • 株安継続なら大統領は非難の的にすべき人物を探し始める可能性も
  • パウエルFRB議長が真夜中にツイートでやり玉となる恐れ-識者

米金融当局とホワイトハウスの間では、金利政策を巡る衝突が長らく予想されつつも、過去1年間は現実のものとならずにきた。株価が上昇して経済成長は続き、金融当局がアニマル・スピリットを冷え込ませることもなかった。トランプ大統領と連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン前議長が良好な関係を維持したのは周知の通りだ。

  だが、こうした平穏も終わりを告げるだろう。投資家の間では、パウエルFRB新議長率いる当局が景気過熱を防ぐため利上げに真剣であるとの認識が広がり、その影響を急いで回避しようとする動きが見られる。

  米労働省が2日に発表した1月の雇用統計のうち、平均時給は前年同月比2.9%増と2009年以来最大の伸びとなり、金融当局が将来のインフレ抑制に一段と積極的に臨むとの観測が台頭。これを背景に、S&P500種株価指数は同日に2%下げた後、5日には4%の大幅続落となった。

  トランプ氏は、株高を大統領としての自身の実績の証しだと繰り返し表明してきただけに、株価急落を軽視することはできないだろう。実際、7日には株安について「大間違いだ。米経済にこれほど多くの良い(素晴らしい)ニュースがある」からだとツイートした。

  仮にこれが身震い程度にとどまらなければ、大統領は非難の的にすべき人物を探し始め、その矛先は5日に宣誓就任したばかりのパウエル氏に向けられる可能性がある。連邦準備制度は独立政府機関だが、パウエル氏をはじめとする金融当局は議会の監督下にあり、議会は大統領の意向に従う。

  イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の元委員で、米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は、「金融当局がホワイトハウスを恐れているとは全く考えられないが、議会には一定の恐怖感ないし敬意を抱いており、一方でトランプ氏は議会にかなりの影響力を持つと見受けられる」と指摘した。

  ポーゼン氏は、トランプ大統領との摩擦を危機的状況に至らしめるまで当局が利上げしなければならない事態は想定していない。しかし、大統領が不満を抱けば、黙ったままでいないことは確かだ。ハーバード大学のケネス・ロゴフ経済学教授は1月24日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「真夜中に突然、パウエル氏がツイートでやり玉に挙げられるかもしれない」と話した。

原題:Uh, Mr. Powell, President Trump Wants to Discuss That Rate Hike(抜粋)

(ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌に掲載の記事です)

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